旧ロシア領事館、令和3年9月定例会一般質問:後半部分 ≪令和3年10月12日≫
一般質問前半部分の前文で「市は民間事業者による活用に向けて幅広く検討を進めていたと言うが、たまたま購入して事業を行いたいという事業者が現われたことから、その話に飛びついたに過ぎなかったのではないのか。それらを裏付ける資料を入手したので、事実関係を問いただしてみた。」と記しました。
その入手した資料を以下のとおり転載しましたので、お読みになられた上で、一般質問後半部分のやりとりをご覧いただければ思います。
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2019/09/03
市長協議要旨(外国人材、旧ロシア領事館)
1 日 時 令和元年9月3日
2 説明者 企画部次長、計画調整課長
3 要 旨
【外国人材受入れに係る庁内の推進体制について】⇒略(筆者)
【旧ロシア領事館について】
〇 谷村氏(と村瀬社長)とは、どういうつながりなのか?
→ (黒塗りのあと)土地・建物をまとめて買い取りたいという意向である。
〇 価格はいくら位になるか? 協力してくれるなら無償でもいいくらいだが。
→ 評価額で約5,750万円。宿泊棟の解体経費相当を差し引いて、4,750万円と考えている。
〇 前回は市の独自支援うんぬんという話であったから、しばらく棚上げでよいと言ったが、具体的な活用策については懸案だった。やってくれるというのであれば基本的に悪い話しではない。
〇 領事館は、文化財指定を受けているのか?
→ 文化財相当という意見をもらっているが、景観条例の指定のみである。
〇 改修はどういう手法で行うのか? 一部だけオリジナルを残す手法もあるが。
→ 宿泊棟は取り壊し、本館は外観保存が基本と考えている。内装は、耐震補強も含め、用途に応じて改修が入るイメージである。指定建築物の改修方法にならい、使える部材は使い、傷んだ部分の交換等を行うことになる。
〇 あの面積ならば、通常の宿泊料金ではやっていけない。高級路線でやるということか?
→ そのように聞いている。
〇 随意契約で行うのか?
→ 随契の場合でも、公募のプロポーザルは必要になると財務部から言われ ている。買取りの場合は、市として保存条件などの留保が難しくなるが、プロポーザルなら公募条件の中で、今後の建物の保存活用について一定の条件設定が可能と考えている。今回の提案に当たり、9月中旬に先方の負担で耐震調査をしたいとの申出があり、財務部からは内諾を得ている。
〇 耐震補強については、当然必要となるだろう。おそらく補強しなければもたない。構造にも手を入れる必要があるかもしれない。耐震調査も含め、認めてかまわない。
→ それでは調査を認める方向で協議を進めたい。プロポーザルの詳細については、後日改めて協議させていただく。審査会には企画部長と都市計画部長のほか、外部有識者というイメージである。
(以 上)
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2019.9.3 佐藤次長から当資料によ 平井副市長、市長に説明
取扱注意 |
もと道南青年の家(旧ロシア領事館)の活用希望について
1 活用希望者
・作家 谷村 志穂(たにむら しほ)氏
「海猫」、「黒髪」など、函館とロシアゆかりの小説を執筆。
(黒塗りのあと)函館観光大使。
・㈱ソヴリン代表取締役社長村瀬啓方(むらせ ひろまさ)氏
北大水産学部卒。名古屋栄ロータリークラブ会員。
会社概要:名古屋市、自動車用ケミカル製品製造、平成2年4月設立、
売上高47億円(2018年)
・㈱nAナカヤマアーキテクツ代表取締役
一級建築士 中山 眞琴(なかやま まこと)氏
会社概要:札幌市、建築設計事務所、望楼NOGUCHI函館、江差町 旅庭群
来 等高級宿泊施設やコンドミニアム等多く手掛けている。
2 活用方法
旧ロシア領事館本館を、谷村氏が監修、村瀬氏が経営、中山氏が設計を行い、ロシア料理を提供する高級オーベルジュ(※)として整備・活用したいとの意向。
施設の一部に函館とロシアの交流の歴史を伝える領事館の歴史ライブラリやカフェを設置し、その場所を市民向けに開放したい。
(※)オーベルジュ…宿泊施設があるレストラン
3 面談経過
■ 2019年4月26日 谷村氏・村瀬氏との打合せ
・旧ロシア領事館視察。庭部分を含めた本館の活用を検討している。
■ 2019年5月22日 谷村氏・村瀬氏・中山氏との打合せ
・設計を担当する中山氏を伴って再び旧ロシア領事館を視察。
・貸借ではなく、購入したいとの意向。
・プロポーザル実施に理解を示す。
■ 2019年8月22日 谷村氏・村瀬氏との打合せ
・ プロポーザル参加意向を示す。
・ ただし、参加の可否と利活用方法を判断するため、建物の安全性を調査する耐震診断等(専門業者に見積り済、費用約1,000万円)を自己負担で行いたいので、市の許容できる範囲で認めてほしい。
・ そのための事前調査を9月17日(火)に行いたい。
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◎工藤篤議員
続きまして、2019(令和元)年9月3日の市長説明前に行われた㈱ソヴリンとの事務レベルの打ち合わせは、平成31年4月26日、令和元年、同じ年ですが5月22日、同じく8月22日の3回行われたのが記録に残っていますが、この3回だけですか。
◇柏弘樹企画部長
議員ご指摘の通り、記録に残っている3回については我々も承知しておりますが、今それ以外の打ち合わせがあったかということについては今現在私わかっておりません。
◎工藤篤議員
今現在わかっていないということは、あったかもしれないということで、記録を探したら出てくるかもしれませんので、それは教えていただければと思います。
3回目の面談(令和元年8月22日)記録に記載されている建物の事前調査、いわゆる耐震診断等は、㈱ソヴリンの希望通り9月17日に実施されたのですか。
◇柏弘樹企画部長
事前の耐震調査については実施をされておりません。
◎工藤篤議員
いなかった、なかったんですか、希望はあったけど対応しなかったということなんですね。
それで、同じく令和元年9月3日の市長協議の中で、「協力してくれるなら無償でもいいくらいだが」という市長発言の真意は、㈱ソヴリンが旧ロシア領事館の土地・建物をまとめて買ってくれるという協力をしてくれるなら、土地の無償譲渡はあり得ないとしても、建物については無償でもいいということで理解していいでしょうか。
◇柏弘樹企画部長
当時の協議メモから読み取ることしかできないのですけれども、気持ちとして無償でもいいくらいだと、というような発言があったものと理解をしております。
◎工藤篤議員
続いて、「やってくれるのであれば基本的に悪い話しではない」という市長発言の真意は、㈱ソヴリン「旧ロシア領事館の土地・建物をまとめて買ってくれる」のであれば、売却に関する協議を進めてよいと承諾を与えたものと理解してよいでしょうか。
◇柏弘樹企画部長
業者選定に係る事前の打ち合わせということで、方向性としてはそのような方向性で良いということであったと理解をしております。
◎工藤篤議員
続きまして、企画部から「随契の場合でも、公募のプロポーザルは必要になると財務部から言われている。買取りの場合は、市として保存条件などの留保が難しくなるが、プロポーザルなら公募条件の中で、今後の建物の保存活用について一定の条件設定が可能と考えている」と説明があったことについて、市長はどのように理解をしたのですか。
(自席から)市長に訊いてください。
※23秒経過
(自席から)ご本人がいらっしゃるから、ご本人に訊けばいいんじゃないですかね。
◇工藤寿樹市長
どういう場面でどういう話をしたら、企画部との打ち合わせなんですよね、ソヴリンとではなくてね、ソヴリンとはたぶん事前に私は会った記憶もないし何もないんで。
だからどういう方法でやるかという時のことだいう風に思うのですが。
今時点で私自身はあまりよく記憶にありません、なんかこう見れば別ですけどね。内部での企画部と私との打ち合わせのメモなのかな、公文書なのか、ちょっとわかりませんけど、自分ではよく覚えていませんね。
◎工藤篤議員
企画部内部での、市長と平井副市長も確か入っているはずですから、そのメモは残されておりますので、後で思い出してもらえればなという風に思います。
続きまして、先ほど耐震調査はなかったということでございますが、「耐震調査も含め、認めてかまわない」という市長発言中、「も含め」とは㈱ソヴリンが耐震調査を行うことおよび土地・建物の売却を認めることであると理解していいですか。
◇柏弘樹企画部長
当時の協議メモの内容についてでございますが、そこまで認めるという風には我々は受け取っていないところであります。
◎工藤篤議員
そうは言いながら、この市長発言を受け、企画部は「それでは調査を認める方向で協議を進めたい」と返答していますが、この市長協議からプロポーザル実施までの間に企画部が㈱ソヴリン側と協議した日時および協議内容について確認したいのでお知らせください。
◇柏弘樹企画部長
この協議の後、ソヴリンさん側から市に対して、その調査についての申し出がなかったことから、それについての協議は行なっていないところであります。
◎工藤篤議員
「取扱文書」によれば、令和元年5月22日の打ち合わせの段階で、㈱ソヴリンが「プロポーザル実施について理解を示す。」、同年8月22日の打ち合わせでは㈱ソヴリンが「プロポーザル参加意向を示す。」とありますが、ここで打ち合わせをしたプロポーザルに関する具体的な内容を確認したいのでお知らせください。
◇柏弘樹企画部長
2019年8月22日のプロポーザルの参加意向についてのお尋ねでございますが、今ここにちょっとメモなり、なんなりがないものですから、内容についてお答えはできないものであります。
◎工藤篤議員
念のため申し上げますが、公文書公開請求ではこれらに係る一切の関係書類ということでお願いをして、その一切の関係書類を私が取得したわけです。
今申し上げたようなところが、書かれて、報告がないということは、調べてみなければわからないにしてもですね、ちょっと納得いかないのかなという風にして思いますので、念のため申し上げておきたいと思います。
続きまして、令和元年10月14日からのプロポーザルの募集要項等の公表によって、参加条件や企画提案書の提出期限、採点基準等が事業者に広く周知されましたが、㈱ソヴリンは約1年前からプロポーザルの提案に関する建物調査、企画提案の検討等の準備を進めていたと思われますが、その事実については確認されますか。教えてください。
◇柏弘樹企画部長
ソヴリンさんが準備を進めていたかどうか、私ども把握をしているところではございませんが、プロポーザルの募集要項については、なんというんでしょう、きちんと一斉に公表したものでありますので、条件に合う提案かどうかはその後に考えられたものと考えております。
◎工藤篤議員
苦しい答弁だと私も聴いていて思いました。
今申し上げたような3回に渡って打ち合わせをしておりますから、それはプロポーザルの前にですね行われていたわけですから、ちょっといかがなものかなという風にして思った次第です。
続きまして、プロポーザルの提案まで㈱ソヴリンは約1年の計画期間を持った一方、応募した市内事業所は、募集要項公表から企画提案書の提出期限である令和3年1月25日まで3か月余りの検討期間よりなく、企画提案の検討期間に公平性を欠いていると考えますが、市長のご見解を伺いたいと思います。
◇柏弘樹企画部長
先ほどもご答弁いたしましたが、募集要項につきましては一斉に公開しているものでありまして、その募集要項につきましても市の審査員委員会におきまして、種々内容を議論し、3回くらいだったと思いますけれども、その上で決定したものでありますので、特に公平性を欠いたというような認識は持っていないところであります。
◎工藤篤議員
ちょっと信じられないご答弁なんですよね。
プロポーザル実施の前に3回も会ってですね、色々と打ち合わせをしている。そして建物調査もして、実際に内部を見せたりなんだりをしていますね、それは全体にやる前にそういう状況なんですよ。
旧ロシア領事館の土地・建物の売却に当たって、令和2年10月から実施されたプロポーザルには、㈱ソヴリンのほか、市内事業者1者が参加し、外部委員からなる審査委員会において審査し、㈱ソヴリンが契約候補事業者として決定されました。
市長は、プロポーザル実施前の令和元年9月3日の企画部との打ち合わせにおいて、㈱ソヴリンが当該建物の売却に向けた協議を進めることについても認めており、耐震調査を実施することも認めております、結果としてはやらなかったとしても。
これまでの答弁で、企画部は、㈱ソヴリンとプロポーザルの実施前までにその方向で協議を進めた事実が確認できました。
函館市は、これらの事実を全て伏せたままプロポーザルを実施しており、偽計を用いてプロポーザルによる競争で契約締結するものの「公正を害する行為をした」ことになるのではないかと考えますが、市長のご見解を伺いたいと思います。
◇柏弘樹企画部長
プロポーザルの前に3回打ち合わせしたというお話でありますが、その内容については先程も申し上げましたが、具体な協議をしたかどうかということについては今この場でお答えはできませんけれども、残っているメモを見る限り、ソヴリン側から活用を検討しているということが言い渡されたというのが1回、もう1回につきましては賃借ではなくて購入をしたいということが1回、プロポーザルでも了承しますというお話がその時にあったということであります。
そういう中で、市の方からソヴリンさんに別にあの条件をお示しするとか、こういうものがいいとかということは一切お話をしておりませんので、ソヴリンさんに優位にというようなことではないという風に考えております。
◎工藤篤議員
苦しいご答弁ですね。しかしその3回に渡って、ソヴリン側と打ち合わせをしてきたという事実は、これ事実ですから、言い訳のできないことなのかなという風に思います。
少し対外的にもですね、こういうケースがあるようですが、どうですかと、私なりに勉強させてもらいますが、いずれにしても公平性を欠いたという風に判断せざるを得ないんではないかという事を申し上げておきます。
by atsushi-kudou | 2021-10-12 22:02 | 新人議員「虚心平気」