人気ブログランキング | 話題のタグを見る

福祉コミュニティエリア整備事業 30年6月議会 ≪平成30年11月14日≫

 3月24日にオープンセレモニー、引き続き内覧会が開かれ、3月26日開業というスケジュールだった福祉コミュニティエリア、いわゆるコンテ日吉が突如延期となりました。

 市の目玉事業であり、補助金等が支出されることもあって、市民から一体どうなっているかとの問い合わせがありました。


 残念ながら私の所管の委員会でなかったため、医療、介護などを議論する民生常任委員会を傍聴して事態の把握に努めましたが、なかなか理解、納得できるものでなかったため一般質問させてもらいました。


***********************************


◎工藤 篤議員

 福祉コミュニティエリア整備事業についてですが、それに関して、社会福祉法人善智会が事業展開している特別養護老人ホームをはじめとした福祉施設を巡って様々取り沙汰、報道されております。

 この間、それらの情報に触れた市民から「一体どうなっているの。市の税金が使われているんでしょう。議員としてしっかりチェックしてよ」と、行政に対する不信感も露わに、一方で私ども議員に対する叱咤激励もいただきました。


 今月に入って、入居者受け入れ再開が「信頼回復へ正念場」、「信頼回復を目指す」との見出しで報道されていますが、「飯田前理事長が、開業が遅れる経緯などの説明責任を果たさないまま、経営の一線から退く、しかも当市に止まっていない」という事態の検証なくしてなかなか理解が得られないのではないでしょうか。

 巷間言われているような、道路舗装の不備、実母の病気云々による入居受け入れ延期などの理由は、取って付けたような話だと見透かされているようで、かえって、もやもや感が漂っているようにさえ感じられます。


 確かに、市としても当惑している姿は、報道等から垣間見ることはできますが、一方でここに至る手続き手順等に齟齬がなかったのかも検証されるべきだとも思います。


今回の案件、私なりに突き詰めていきますと、組織的にどうこう言うより、法人の代表を務める「飯田善樹」氏という方に関わってのものだったのではないかと思っております。


それでなければ、どうしても合点がいかないのですが、その根拠の一つとして、平成29年12月1日発行の「病医院・歯科医院・整骨院・鍼灸院選びのメディカルページ 函館・道南版」の「福祉コミュニティエリア『コンテ日吉』が目指すもの 2018年3月始動の地域包括ケアシステム構築モデル事業 医療法人社団 善智寿会 理事長 飯田善樹氏」というインタビュー記事を読んだからでした。市長は、お読みになりましたか。


保健福祉部長

飯田氏の記事についてのお尋ねでございますが、工藤議員先ほどお示しの記事につきましては、福祉コミュニティエリア整備事業計画書の内容が飯田氏の思いとともにインタビューに答える形で書かれているものと承知をしているところでございます。


◎工藤 篤議員

 市長にお聞きしたんですけども部長の答弁ということで、ちょっとつれないかなというふうに。巷間では市長と飯田理事長は懇意であるというふうなことも聞いておりますので、ちょっとそれ、つれないのかなというふうに思いましたが、わかりました。

 私は、この飯田氏の考え方、この事業に懸ける想いを素直に受けとりました。


 簡単にご紹介させてもらいます。

 いままで、医療と介護の両方に携わり、利用者にとって、どうすればもっといいことができ、解決することができるか、ということを考えてきた。

その帰結の一つとして福祉・医療の連携を含めたコミュニティとしての機能が一番大事だと思っている。

函館市のコンセプトもそういう方向性を示唆しており、共感できるものがあって、スタッフはもちろん周囲の方々の賛同を得て、トライした。

施設周辺のコミュニティに止まらず、函館市のコミュニティエリアとして多世代で集まれるように、建物も公園の中にあるような配置にしていきたい。

国が進める日本版CCRC(生涯活躍のまち形成事業)で全国804ヵ所の中から10ヵ所のひとつとして認定を受け、国へのレポート提出を求められているが、国へ現場の声を届けられるというチャンスも得られたと捉えることもできる。

 ・・・、などと極めて積極的、前向きにお答えしておりました。


いずれ私も、可能であれば、お世話になりたいなとさえ思いました。

もっとも、元気で自立可能が望ましく、それに尽きるのですが、人生何が起こるか分かりません。人生終盤のセーフティネットとして、求められていくのだろうと思います。


 さて、事の是非は別にして、日本人の美徳として言われるのが、仕事優先の風潮です。その最たるものが、親の死に目にも会えない仕事を当然とする考え方です。

 誤解のないように今一度申し上げますが、このことはそれぞれの捉え方、感受性の問題ですので、断定することはできませんが、前段触れました飯田氏の想いと、「実母の病気によって東京にいなければならない」という理由は、あまりに乖離があります。不自然です。

 とても信じられないと思うのは、私だけではないと思いますが、市長は、いかがお思いですか。


保健福祉部長

飯田氏の発言等に関してのお尋ねでございますが、当時の飯田理事長の、ただいま議員御指摘の一連の発言等につきましては、個人的な内容に触れることでありますので、答弁は差し控えさせていただきます。


◎工藤 篤議員

 午前中の同僚議員の質問に対してはちょっと別なニュアンスで個人的な云々というような話もありましたので、まあいいでしょう。次に進みます。

 別な視点からお尋ねいたします。

 公文書公開請求で手にしました関係書類等を紐解いてみますと、平成30年2月27日に社会福祉法人善智会第8回理事会の議案には、

 「特別養護老人ホーム ベルソーレ(イタリア語:〘美しい太陽〙の意⇒以下同じ」完成報告についての審議事項には「平成30年2月21日小泉建設()施工による工事が終了し、社会福祉法人善智会へ引き渡しが行われた。」と記されており、さらに、「工事監理業務を請け負っている()ティーアンドパルスによる完了検査を実施。大きな不具合なく工事が施工された事を確認した。」とあります。

同じく、提示された資料3「コンテ日吉開始準備工程」には、3月24日落成式、3月26日開業と記載されておりました。

 

 また、「特別養護老人ホーム ベルソーレ」所在地の宅地及び施設の基本財産担保提供承認がなされ、翌2月28日債権額9億3,600万円の金銭消費貸借がみちのく銀行との間で設定され、その後4月5日に抵当権設定されました。

 その理事会を受け、3月2日の第2回評議員会で理事会での承認案件が追認され、開設までのスケジュールが、評議員への案内文書という形で具体的に示されました。

 それには、「3月1日時点では、備品搬入が進んでおり、その後、函館市保健福祉部の施設整備完了検査が行われ、開業日を3月26日に予定している。その前日と前々日、3月24日と3月25日で内覧会を開催予定。」などと記載されています。


 事実、3月24日に「コンテ日吉(コンテ:君と共に)」主要施設のオープンセレモニー、引き続き内覧会が開かれました。

従いまして、次は3月26日開業というスケジュールだったと思いますが、その時点で、市はどのように捉え、受け止めていたのですか。


保健福祉部長

特別養護老人ホームの施設整備につきましては,建物本体が2月21日に施工業者から法人へ引き渡され,完成に係る理事会の承認を得たことにより,建設工事の完成について市に報告があったものです。

この報告を受け,市は補助事業の完成検査を実施するとともに,並行して,法人から開設に必要な認可申請や介護保険法に基づく事業所指定の申請があったことから,オープニングセレモニーや内覧会は予定どおり実施されておりましたし,3月26日の施設開設についても予定どおりに行われるものと考えておりました。


◎工藤 篤議員

私は他の用務があってオープンセレモニー及び内覧会には参加できなかったのですが、午前中の一般質問の中では、参加された同僚議員の受けとめでは、パンフレットなども見えなかったし、予定どおり入居受け入れが進むのだろうかと疑問に思ったというようなお話をされておりました。今の御答弁では、3月26日に施設開設は予定どおり行われるものと認識していたということですが、随分感度というか捉え方が違うんだなと思ってしまいました。
 その御答弁を前提に質問させてもらいます。市の完了検査は3月13日に行われたと聞いていますが、検査を受けた相手方、いわゆる事業者とその立場、役職等を教えてください。


保健福祉部長

3月13日に実施いたしました建物整備に対する補助事業に関する市の完了検査には、補助対象事業者である社会福祉法人善智会の担当者──特別養護老人ホームベルソーレの施設長でございますが、その方のほか、工事監理業者である有限会社ティーアンドパルスの担当建築士と施工業者である小泉建設株式会社から、当該工事の主任技術者が出席し、書類の対応などもしていただきました。


◎工藤 篤議員

つまり、飯田理事長はその時点では立ち会いなかったということですね。わかりました。

 そういう中で4月3日、社会福祉法人善智会が運営する「特別養護老人ホーム ベルソーレ」、()ハーモニーが運営するグループホーム「ベラルーナ(美しい月)」、サービス付き高齢者向け住宅「アルバ(暁)」と「コリーナ(丘)」定員計176人が入居受け入れを一時延期することの報道がされ、私どもも意外な展開に驚きました。

この間の動向と市の対応をお知らせください。


保健福祉部長

3月27日に,福祉コミュニティエリア整備事業の代表法人である医療法人社団 善智寿会から,大雪の影響により,特別養護老人ホーム,多世代交流センター,認知症グループホームならびにサービス付き高齢者住宅2棟の周辺のアスファルト舗装を思うように仕上げることができず,再舗装を要することと,この外構工事の完了までは,安全面を考慮し施設入居を2か月程度遅らせたいとの申し出がありましたことから,その後,善智寿会や実際の工事業者に状況を確認しましたが,新たなお話もなく,また,直接,当時の飯田理事長とは具体的にお話をすることが叶わない状況でありました。


そうしたことから,4月4日に,市から社会福祉法人善智会の理事などに対し,法人として,今後の方向性をどのようにしていくのか,理事会を開催のうえ,しっかり議論していただきたいこと,当時の飯田理事長からの,これまでの経過や今後の運営についての説明や2か月間の受け入れ停止を踏まえた事業計画および収支計画の提出を要請したものであります。


◎工藤 篤議員

 ご答弁では、事業推進の代表法人の医療法人社団 善智寿会からの申し入れということは、飯田理事長は医療法人社団 善智寿会の立場という理解をしました。

 それで、特別養護老人ホームは平成30年2月21日工事終了により、監理業務業者も大きな不具合はないと完了検査を終えたとあります。

 なぜ、完了検査、引き渡しを終えた1ヵ月も後に、再舗装が必要となったから云々のお話は、にわかに信じられないのですが、合理的な説明を受けましたか。


保健福祉部長

高齢者施設周辺のアスファルト舗装工事などが,まれに見る大雪の影響か  ら特別養護老人ホーム建設の完了検査と引き渡し後に, エリア構内の道路などに不具合が生じたことから、法人において専門家に調査を依頼したところ,エリア構内のアスファルトを再舗装するという大掛かりな補修が必要との調査結果となり、法人では、その工事に際して入居者の安全性を確保するため,入居受け入れの延期が必要であると判断したと伺っております。


なお,4月8日に開催された法人の理事会におきましても,その経過についての説明と報告がなされ,延期の判断が承認されたものと伺っており,後日市に対し提出いただいた議事録においても,その事実を確認しております。


◎工藤 篤議員

 平成30年2月21日に工事が終了しました。なぜ、1ヵ月以上も経ってから大がかりな補修が必要との調査結果となったのでしょうか。

他の事業者の施設の外構工事は問題なかったのですよね。外構工事の施工業者は違っていたのですか。


保健福祉部長

2月21日に完了いたしましたのは建設工事であり,補助事業はこの建物の完成をもって終了となりますが,外構工事については,引き続き,敷地の状況を踏まえて実施しておりました。


その間に,まれに見る大雪となり,雪解けを見計らって工事を行ったところ,当初の施工では雪の影響などにより各所に問題が発生したことから,改めて法人が依頼した専門家による調査を実施したところ,大がかりな補修が必要との判断に至ったと説明があったものです。


他の事業者の施設整備につきましても,建設工事の完成後も引き続き,外構工事を行っておりますが,施工業者は異なっております。また、それぞれの敷地内の整備でもあり,敷地の面積や形状、高低差などの要因により施工内容には違いがあるものと考えております。


◎工藤 篤議員

 社会福祉法人善智会とそれ以外の法人とは、施工業者が異なっていた、敷地の面積や形状(高低差)などの要因により施工内容にも違いがある、とのことですが、要はアスファルトの不陸でしょう。

 それが、社会福祉法人善智会の置かれた状況が特に困難だったのでしょうか。


保健福祉部長

社会福祉法人善智会以外では,隣接する区画に社会福祉法人 結絆の会(ゆうきのかい)が地域密着型特別養護老人ホーム1棟,有限会社ウィズが看護小規模多機能型居宅介護事業所および認知症高齢者グループホームの1棟を整備しております。


施設整備については,建物建設工事を2月28日までに,また外構工事は3月21日までに完了し,介護保険事業所の指定を受けた3月23日から施設を開設しております。


社会福祉法人善智会系列の施設・事業所とは指定日が異なりますほか,施設開設後において外構に係る問題は発生していないと伺っており,状況は異なるものと考えております。


◎工藤 篤議員

 隣接する地域密着型特別養護老人ホーム1棟及び看護小規模多機能型居宅介護事業所と認知症高齢者グループホームの1棟では、外構工事は3月21日までにすべて完了した、と。

一方、善智会の施設、建設工事は2月21日に完了したが、外構工事は引き続き敷地の状況を踏まえて実施していた。その間、まれに見る大雪となって、こういう事態になった、とのことであります。

まれに見る大雪は、善智会の外構工事だけに影響を与えたのでしょうか。それはないですよね。不自然です。

となれば、善智会の外構工事の施工業者が他の法人の施工業者より、工事のやり方がまずいというか下手だということになりませんか。それでは、業者のプライドはズタズタでしょう。


また、まれに見る大雪と言われますが、確かに今年の冬はそうでした。その印象が頭にしっかり組み込まれています。

でも、ご指摘の2月21日以降の降雪は、10センチ以上では、2月23日が10センチ、3月2日が12センチの2日間だけです。

その次に多いのが8センチで3月5日の1日だけです。

後は、3センチが1日、2センチが2日、1センチが3日で、降雪が認められなかったのが、2月で5日、3月が26日ありました。

これは、美原の気象台の資料です。

若干の地域差があったとしても、まれに見る大雪が言い訳にならないのはデータが示しています。


次に、社会福祉法人 結絆の会(ゆうきのかい)が地域密着型特別養護老人ホーム1棟と、()ウィズが看護小規模多機能型居宅介護事業所および認知症高齢者グループホーム1棟を介護保険事業所の指定を受けた3月23日から施設を開設しているとのことですが、その指定はどのような要件を満たした時点で決定されるものなのですか。

 また、社会福祉法人善智会の施設はいかようになっていたのですか。


保健福祉部長

結絆の会の地域密着型特別養護老人ホーム1棟ならびに有限会社ウィズの認知症高齢者グループホームおよび看護小規模多機能型居宅介護事業所1棟の指定につきましては,いずれも指定申請時、2月23日には事業の開始予定年月日が平成30年3月23日となっておりました。


その後,人員および設備の書面審査を行い,設備の実地確認を行いまして,指定の要件を満たしていることが確認されましたことから,事業開始予定日である3月23日付けで指定を行ったものでございます。


一方,社会福祉法人善智会の特別養護老人ホームの場合は,指定申請時、2月23日の事業開始予定年月日が3月26日となっておりましたので,同様の手続きを経まして,事業開始予定日である3月26日付けで指定を行ったものでございます。


◎工藤 篤議員

 後段の部分はわかりました。
 ただ、まれに見る大雪ということに対して、私は今、データを示しながらお話をさせてもらいましたが、その件に関してはどう思いますか。


保健福祉部長

まれに見る大雪は、雪解けのその時期の前のこと、その時期にまれに見る大雪があったことにより、その時期に雪解けを待って工事をしたところということでございますので、その前の大雪が影響しているものと考えております。

◎工藤 篤議員

 苦しい御答弁ですね。先ほどは2月21日に完了した。それからのまれに見る大雪とご答弁しているんですよ。感覚で答えないでください。こっちはデータをきちっと持っていますから。

それと同時に、その間の降雪ということであれば、善智会もほかの法人の部分も同じ自然条件なんですよ。そのことは申し上げておきたいというふうに思います。


 後段の部分ですが、指定の要件等は順調に進んでいたので、3月26日開業には支障がなかったということですね。

それで、道路整備にかかわり、利用者の安全を考えて入居を見合わせたとのことですが、入居者が危険に陥るような具体的な状態とはどのようなことを想定したのでしょうか。

そもそも季節的なことを考慮するならば、入居者の外出は控えても不都合ではないと考えられます。

また危険に陥るような具体的な事態を想定したとするならば、まずはそれを回避する対策を考えるのが最初に取り組むべきことではないでしょうか。

それらについてお考えを問うていましたか。


保健福祉部長

外構工事前の福祉施設周辺のアスファルト舗装につきましては,不揃いで,平らではない,いわゆる不陸の状態であったことと、エリア構内の道路から,介護施設へのアプローチ部分が急勾配になっているとの専門家の調査結果であり,このことから,利用者やそのご家族が,徒歩や車いすなどでエリア構内を移動する際に転倒などのリスクがあることや,工事車両の出入りの際,また,施工現場の周辺での事故のリスクが想定されること,工事中の騒音による施設での生活に与える影響,さらに,施工中は寒い日の暖房の使用ができないことや緊急時の避難経路の確保や緊急車両の進入が困難であることなど,利用者の安全管理において支障が生じるおそれがあると、事業者の方で判断し、このような措置をとることになったと伺っております。


◎工藤 篤議員

 エリア構内の道路から,介護施設へのアプローチ部分が急勾配になっているとの専門家の調査結果とのことですが、これは設計上の問題なのか、施工上の問題なのか明らかにする必要があると思います。

 また、施工現場での事故のリスク対応は近づかなければいいわけで、そもそも入居者が気楽に外に出る季節でもないし、一般的に舗装工事で交通を全面ストップするケースは希ですし、工事中の騒音については、経験上アスファルト舗装工事で日常生活を送る上で耐えられないような騒音が続きますかね。

 また、ご答弁の「施工中は寒い日の暖房の使用ができない」とはどんなことをおっしゃっているのですか。


保健福祉部長

施設のアプローチ部分が急勾配であったことについては,法人が依頼した第三者の専門家の調査により問題が指摘されたことでありますので,我々が設計・施工のどちらの問題かを判断するのではなく,施主と設計・施工業者の間で協議調整されるものと考えております。


また,入居者のリスクを少しでも回避したいとの考えから,緊急時の避難経路の確保や,緊急車両が敷地内に侵入する際の支障,工事中の騒音など,入居者に対する様々なリスクを取り除いていきたいという法人側の意識が強くあったのではないかと思われます。


暖房につきましては,入居受け入れ延期の申し出時点で落雪があり、室外機が破損し暖房装置が機能しない状態であったとのことでありましたので入居後に気温が低い日があれば,居室内の暖房に支障が出るということと伺っております。


◎工藤 篤議員

 確かに、施設のアプローチ部分の急勾配については、市が設計・施工のどちらの問題かを判断するのではなく,施主と設計・施工業者の間で協議調整されるものというのは、その通りだと思います。

 ただ、入居延期の理由に挙げているので指摘したものですが、今回の補修工事で「施設のアプローチ部分の急勾配」は解消されたのですか。仮に解消されていないとすれば、100歩譲っても理由にはなりませんから。

 また、落雪により室外機が破損し暖房装置が機能しない、とのことですが、先ほども指摘したように、2月21日以降の降雪は大雪と言えるものではないので、その理由そのものに信憑性が疑われます。

よしんば、2月21日以前のことだとしたならば、完成検査は通りません。


 さて、平成29年4月26日に第2回理事会が開催され、「特別養護老人ホーム特別養護老人ホーム ベルソーレ事業計画書が提示されております。

 その中で、利用定員100名、職員定数は常勤72名、非常勤12名と示され、項目10には、職名に応じた資格者の表が示されておりました。

 例えば、施設長は看護師の資格、生活相談員は社会福祉士、看護師は准看護士、栄養士は管理栄養士等々であります。

 それで、お聞きしたいのですが、現在の職員数、及び対応はどのようになっていますか。

 また、それによって、可能受け入れ入居者及び現入居者数をお知らせください。


保健福祉部長

6月11日時点の職員数につきましては, 全体で46名おり,内訳は常勤職員が32人,非常勤職員が14人となっております。

46名の職種と資格ごとの内訳につきましては、施設長は社会福祉士、生活相談員は社会福祉主事で1名、介護支援専門員は介護支援専門講習修了者で1名、管理栄養士1名、機能訓練指導員は准看護師で1名、医師が1名、看護職員は正看護師が1名で准看護師が4名の合わせて5名、介護職員は介護福祉士やヘルパー養成研修修了者など32名、事務員は1名、宿直は2名、以上46名の配置となっているところであります。
 また、現時点での受け入れ可能な入居者数は90人程度、要するに9ユニット分でございますが、現在、きょう時点で入居されている方は7人となっております。


◎工藤 篤議員

わかりました。ただ、前段の部分については御答弁ができなかったということで受けとめておきます。
 

常勤、非常勤の人数だけでなく、いわゆる職務に応じた資格を有する体制が求められるということで今のお話がございましたので、後でまた確認をさせていただきたいということでございます。
 

それで、6月2日の報道では、新理事長の、「月内に20人程度の入居を見込み、9~10月までに満床(100床)にさせたい考え。スタッフは現在50人近くいるが、満床に備え、今秋までに約70人を確保したい」とのコメントが載っていました。

先ほども触れましたが、特別養護老人ホームベルソーレの事業計画には、利用定員100名に対してスタッフは常勤72名、非常勤12名の84名の記載がありました。

新理事長は約70名のスタッフで満床を目指すとしていますが、それでいいのでしょうか。
 また、御答弁では、6月11日時点で受け入れ可能入居者数は90人程度であるとのことですが、46名のスタッフで90名の受け入れはどうも理解しがたいのですが、いかがでしょうか。


保健福祉部長

46名の職員配置と90名の入所者数というのは運営基準上の数字であり、これで、46名で90名、運営基準上問題はないものではございますが、実際の介護現場では、入所者の対応や職員の処遇向上といった意味もあり、事業者みずからの考えに基づき、基準以上の職員を配置することが多いところでございます。
 したがいまして、善智会の理事長が記者会見において、この秋に向けてさらに増員して満床にしたいとの発言がありましたことから、基準以上の職員を配置して、よりよい施設運営に努めていただけると、そういったことであると考えております。

◎工藤 篤議員

わかりました。確認しておきますが、計画には100床を対応として84名と書かれておりますので、私どもはそれを前提にしてお話をさせてもらいました。

今のご答弁ですと、70名のスタッフで満床をということで、それは運用基準としては問題ないということのご答弁でしたので、改めてまた勉強させてもらいたいというふうに思います。


 平成29年8月1日の第4回理事会で、多世代交流施設整備計画が議題とされました。その中の資金計画ですが、当初自己資金はなしとなっていますが、提案事項では非公開より借り入れとなっていました。

これは後で恐らく金融機関からの借り入れを示唆しているのだろうと思いますが、いずれにしても計画時点では自己資金は全くなかったという理解でよろしいですか。


保健福祉部長

資金計画の当初自己資金につきましては,提案事項欄に「借入」との記載がされており,施設整備にあたり補助金以外は借入金により資金を調達するとされていたものであります。


◎工藤 篤議員

 ((註:市長が隣の副市長と私語を交わしていたので) 市長、市長に私は答弁を求めています。たまたま部長が答弁されておりますが、ぜひ聞いておいてください。 同じく資金計画の中で「資金借り入れに対する担保物件」は無、また「償還方法と額」は資料5で示されております。

資料5-1には14億8,700万円の借入金となっていますが、多世代交流施設整備の総事業費は3億7,776万円あまりでしたので、社会福祉法人善智会が展開する事業全体の借り入れと考えられます。

事実、資料5-2は平成55年度までの「施設運営に係る事業収支計画書」として、広域型特別養護老人ホーム、多世代交流施設、収益事業のそれぞれに区分して表していました。

それで、資料5-1は資料5-2をベースに表記したと考えていいですか。


保健福祉部長

平成29年度の善智会の第4回理事会議事録の資料5-1につきましては,施設整備に係る借入金償還計画が示されており,資料5-2については,施設整備に加え設備整備資金および運転資金も含めた事業収支計画となっており,したがいまして,資料5-1は5-2をベースとしたものであります。


◎工藤 篤議員

資料5-2をベースに資料5-1を作成したとありますが、チェックして見ましたら、数値が一致しませんでした。

大した差異ではなかったのですが、一事が万事とも言いますので、もし、私の指摘が正しければ、他の試算、根拠も信頼性が疑問視されます。

もっとも、私の計算、捉え方が間違っているかも知れませんので、精査してもらえますかということを事前に連絡しておりましたので、いかがですか。


保健福祉部長

資料の5-2については施設整備及び運営に関する収支計画となっており、資料5-1については、このうちの特別養護老人ホーム及び多世代交流施設、こちら収益事業用の施設を含んでおりますが、こちらの整備に関する借入額のみとなっておりますので差が生じているものでございます。


◎工藤 篤議員

先ほどは資料5-2をベースにして資料5-1をつくったとありましたので、もしそうであるならば、こういう事情でもってこうなりましたというものを付記しておかなければ、信頼性が揺らぐということを申し上げておきたいというふうに思います。

ですから、それぞれの毎月の収入の部分についても書いておりましたけれども、それについてもちょっとはてなだと思わざるを得ないということでございます。


 時間もないので前に進みます。今回の案件で市民から不審の目で見られていることの一つに、理事長の突然の交代や理事の辞任があるのだろうと思います。

それで、そもそも社会福祉法人の理事とはどういう性格を有しているのか、教えてください。特に理事長の責任性とは何なのか、簡単に交代できるようなものなのか、教えてください。


保健福祉部長

社会福祉法人の理事は,法人の業務執行の決定などを行う理事会に出席し,その理事会における意思決定を通じて,業務執行の決定または監督を行うという意味で、法人の運営における重要な役割を担っております。


また,理事長は,理事会において,理事の中から選定され,対外的に法人の代表権を有するとともに,対内的に法人の業務を執行する権限も有しています。


なお,理事長の交代につきましては,理事会の決議によるものでありますことから,議決に加わることのできる理事の過半数が出席し,その過半数をもって選任されることとなっております。


◎工藤 篤議員

 5月21日現在でいただいた関係書類には、6人の理事のうち4人が辞任されましたが、飯田氏と奥さんはそのまま理事にとどまっていますが、そういう理解でよろしいですか。


保健福祉部長

ただいま議員御指摘のとおり、飯田元理事長並びに奥様は現在も理事にいらっしゃいます。

◎工藤 篤議員

今回の事態、簡単に理事の辞任となりましたが、一般的に理事は無報酬で、実際上資金提供も含めた責任は感じていないというのが実態だというふうに思います。
 全ては理事長の責任で経営されているのが実情なので、簡単にこのように理事長の交代が許されるようなものとは考えられないんですよね。その辺はいかがですか。


保健福祉部長

先ほども御答弁申し上げましたように、理事会の決議によるもので、議決に加わることのできる理事の過半数が出席し、その過半数をもって選任されたものと考えております。

◎工藤 篤議員

 私は納得はしませんが、前に進みます。
 社会福祉法人は理事会の上位に評議員会もあると聞いております。理事会と評議員会の役割分担と責任性を教えてください。


保健福祉部長

社会福祉法人の理事会は,法人の業務執行機関として、法人の業務執行の決定、理事の職務の執行の監督、理事長の選定および解職、を行うこととなっております。

一方,評議員会は,法人運営の基本ルール・体制を決定するとともに,役員の選任・解任等を通じ,法人運営を監督する機関として位置づけられ,役員,会計監査人の選任および解任,報酬等の決定、決算の承認,定款の変更など法人運営における重要事項の最終的な意思決定、を行うものであります。


理事会が決定した法人の業務執行に対して,評議員会が事後的に監督することにより,法人運営に係るガバナンスが確立される仕組みとなっております。


◎工藤 篤議員

評議員会が理事会の決議を追認しなければ実行されないことになるという極めて重要な位置づけにあることが示されました。
 次にお尋ねしますが、評議員及び理事に住所要件はあるのですか。


保健福祉部長

市の要綱では遠隔地に居住し法人運営に参画できないと認められる者については適当でないとしておりますが、これについては社会福祉法上の制限はなく、事業について理解と熱意があり、運営に参画できれば問題はないとされているものでございます。

◎工藤 篤議員

 関係書類を読み込んでいるうちに気がついたのですが、まさかこんなことが行われていたのかとびっくりしたことがありました。

私自身、ある社会福祉法人の監事をしており、評議員会、理事会に出席させてもらっておりますが、それぞれ一堂に会して行われるのが当たり前という先入観念があったせいか気がつくのが遅くなったのかもしれません。

ともかく社会福祉法人善智会の理事会では、最初の、設立時のみ集まったものの、後は文書、同意書のみで進めてきていました。


先ほど来から理事会が開催されたとの答弁もありましたけれども、果たして本当に開催されたのかどうかも疑問視されます。

市はこれらを把握していたのですか。また、承知していたとするならば、どのような対応をされたのでしょうか。


保健福祉部長

平成28年の社会福祉法の改正による理事会の運営につきましては、実際に会議を開催して決議する方法のほか、理事全員が書面等により同意の意思表示をしたときは理事会の決議があったものとみなすこと、すなわち決議の省略ができるとされており、その場合には定款に定めることが必要とされております。


 社会福祉法人善智会の理事会運営について市が把握している範囲では、理事長を選任した設立時の開催以来、施設整備の手続上の必要な決議は定款の定めにより提案書と同意書の提出による決議の省略をもって行われておりますが、その内容は建設工事や備品購入の入札手続と実施結果に関し、所定の手続にのっとる実地である旨を確認するものであることから、決議の省略による決定が適正でないとは判断できないものと考えております。
 しかしながら、会議開催により必要な審議、検討の上、理事会として決議することが本来の理事会運営の姿であり、議案によっては開催による決議が必要なことでありますことから、今後の運営に当たり、十分留意するよう指導監督してまいりたいと考えております。

◎工藤 篤議員

定款にはそのように定めがありますよね。しかし、函館市社会福祉法人の設立および運営に関する要綱の中には、「法人運営の基本事項は、すべて理事会において十分審議し、決定されるものであり、かつ、理事は積極的に運営に参画すべきものであるので、理事会の運営が形式的に流れることなく、必要な都度、適正に開催すること」というふうになっております。


 つまり、市がみずから決めたこの要綱に反するような理事会が行われていたとするならば、そしてそのことを承知していたとするならば、これはちょっと市民感情から受け入れがたいのではないでしょうか。

3億5,000万円余りの補助金が市から出ておりますし、記憶では道からも6,000万円余りの運営資金が出ております。こういうことはずさんな指導というか、管理というか、ことってないんですか。


 では聞きますが、結絆の会でしたか、一方でありますよね、そちらのほうの理事会はどのように開催されていたのですか、同じようなことであったんですか。


保健福祉部長

ただいま結絆の会の理事会等の記録についてのお尋ねでございますが、現在手元に資料を持っておりませんので、確認できないので現在お答えすることはできません。

◎工藤 篤議員

わかりました。後で教えてください。


 ちょっと余りにもひどいですよ、これは。

工事の日の問題とかスケジュールもいろいろありますよね、何回か。しかしそれを同意書をもらうだけでいいんですか。ましてその定款の中に、監事はその方法に異議を唱えた場合はだめだというふうに記載されておりますよね。逆に言えば、監事の役割はどうだったのかということが問われるんですよ。まあ後で辞任していますけども、やめたらいいってものじゃないだろうというふうに私は思います。


それと、住所要件はないとおっしゃいます。ということはどこにいても理事となってやっていけると。そうすると実際上、私も役員をやってますが、1週間以上前に通知が来るんですよね。そして出席できるかどうかということをやります。そもそもそういう理事会を開催しようとする手続手順が行われていたんですか。結果として集まれなかったからこういう同意書でやったということなんですか、それはどちらですか。


保健福祉部長

最初から意図して決議の省略で事務を進めようとしていたのか、理事会の参集を求めていたけれども、結果として集まらないから決議の省略でやったのかという件に関しましては、その辺に関しては資料が残っておりませんので、確認することはできません。

◎工藤 篤議員

それはまた後でお願いします。
 それから、住所要件の関係ですが、評議員及び理事の住所に関する要件は規定されていないということですが、一方で先ほどもありましたように、実際に法人運営に参画できないと認められる者を役員等として選任することは適当でないと断定しています。

例として、法人の事務所あるいは経営する施設から遠隔の地に在住する者等を挙げていますが、ある意味でこれは事実上住所要件を示唆しているというふうに私は思います。


 先ほどの御答弁ですと九州にいた方でも理事になれるのですね。しかし実際上、すぐに来られますか。そのことを、時間もありますので、指摘しておきたいと思います。

それから、評議員の辞任は……。時間がないので次に進みます。
 福祉コミュニティエリア整備事業開発事業者が医療法人社団善智寿会を代表法人として11の構成員を傘下に決定されました。それで構成員の中に社会福祉法人善智会設立準備委員会が入っておりますが、後日正式に社会福祉法人として承認されたということです。
 その区分ですが、社会福祉法人を経営しない法人の場合は事業継続を担保する意味合いから原則として1億円以上の基本財産を所有していなくてはならないとありますが、社会福祉施設を経営する法人は社会福祉事業の運営に直接必要な全ての物件について所有権を保有していることが条件となります。
 いずれにしても、事業推進における資金力が求められているように思われますが、いかがお考えですか。


保健福祉部長

社会福祉法人は、社会福祉事業の主たる担い手として当該事業を安定的、継続的に経営していくことが求められることから、社会福祉施設を経営する法人の場合は、社会福祉事業を行うために必要な全ての物件について所有権を有することが必要とされ、施設の用に供する不動産は全て基本財産とすることとされております。

基本財産は事業実施のために必要不可欠なものであり、その処分等については所轄庁の承認が必要であるなど、特別に制限されているものでもございます。


 社会福祉法人善智会につきましても、設立時に社会福祉事業に必要な資産を全て所有することとしていたほか、施設開設後の運転資金に充てるための現金を保有しており、社会福祉法人として一定の資金力はあったものと考えております。


◎工藤 篤議員

 福祉コミュニティエリア整備事業は、平成28年3月、「医療法人社団 善智寿会 飯田内科クリニック」を代表法人としたグループに決定されました。


 それで、平成27年12月の「福祉コミュニティエリア整備事業開発事業者プロポーザル募集要項」の参加資格要件をみますと、「ア 応募者は、本事業において、事業用地(売却物件)を一括で購入し、基本構想を実現することができる企画力、技術力および経営能力を有する者とします。」と記載されております。


 午前中にも同僚議員が同じような質問をされておりますが、その中で、「経営能力を有する」ということを確認する意味で、「一定の資本力が必要」ということで、事業計画とか収支計算とかいうものを出されたというふうになっておりますが、果たして本当に資本力があったのか。

巷間では首をかしげている人が結構いたので、私は調べてみました。


そうすると、善智寿会とハーモニーで2つの銀行にほとんど担保物件として提供して根抵当権として29億円に設定されておりました。

つまり、お金はなかったんですよ、恐らく。これだけの設定をされているということは。

ですから突然いなくなったのではないかといううがった見方をする人もいますが、いずれにしても社会福祉法人善智会それからハーモニー、今回の3つの事業の中でも25億円の抵当権が設定されております。

合わせて50億円以上が担保物件とされておりますから、ほとんどないに等しいんですよ、資本力としては。

そういう実態があるということで考えたときに、その要件を満たす経営能力があるというふうにして判断した根拠はどこなのか、教えてください。


☆副議長

工藤 篤議員に申し上げます。
 質問時間がほとんどなくなってきていますが、まだ項目が残っているんですよね。それを含めて議事の進行に御協力をお願いしたいと思います。


◎工藤 篤議員

済みません。熱中していて、時間のことを。

後の部分、2項目め、あれですので取り下げて、次の機会にやりたいと思いますので、よろしくお願いします。


☆副議長

今、工藤議員からありました農業・漁業の所得2千万円を目指すことについては取り下げるということで了承いたします。


◎工藤 篤議員

 今の質問を!


保健福祉部長

参加資格要件にある経営能力を有するものとは、事業用地を購入した上でエリアにおいて円滑に事業を展開する経営のノウハウなどがあるものを想定しており、計画する事業の運営を継続して安定的に実施することが可能であるといったものであると考えており、当時、社会福祉法人については、整備後は一定の資本力を有するものと考えたものでございます。

☆副議長

これで、工藤 篤議員の一般質問は終わりました。


by atsushi-kudou | 2018-11-13 22:14 | 新人議員「虚心平気」  

<< 市長の不規則発言 30年2月定... 信じられない函館市議会運営委員... >>