タイムライン-防災行動計画 28年9月議会 ≪平成29年1月12日≫
知人から面白いから読んでみてはと贈られた「自民党を生んだ男三木ぶ武きち吉の生涯・誠心誠意嘘をつく」(水木楊著)を読みました。
新聞や週刊誌の書評を見て読んでみたいなと思う本をピックアップして行きつけの書店に注文、ぶらっと入った本屋で目についたものを捲って気にいったら、というのが私の本を求めるパターンですが、知人から贈呈されたのは極めて希なことでした。
面白く、且つ感銘を受けました。政治家、まさにここに有り、でした。
三木武吉が自由党と民主党の保守合同を成し遂げた最大の功労者であったというのは、知識としてはありましたが、どういう経緯があったのかまでは知りませんでした。もっと早くに出会いたかった本でした。絶対お勧めです。
鳩山一郎について次のような記述がありました。
― お坊ちゃんではあるが、決して凡庸ではない。天下の秀才が集まった一高卒であり、語学に優れた才を現した。EEC(欧州共同市場=現在のEUの前進)の生みの親であるクーデンホーフ・カレルギー伯爵の著作『自由と人生』を翻訳して出版した。
その書き出しは、「人間は神の創造物である。国家は人間の創造物である。したがって国家は人間のために存在するが、人間は国家のために存在するのではない。国家なき人間というものは考えうるが、人間のない国家は到底考えられない。人間は目的であって、手段ではない。国家は手段であって、目的ではない。」鳩山はステーツマンにふさわしい理想主義者でもあった。 ―
読後感としては「今まさに政治家の底の浅さを嘆かざるを得ない」に尽きました。残念ながら・・・。
さて、昨年はずいぶん災害が発生しました。
災害防止の一つとしてタイムラインが有効であると報道されておりましたので取り上げてみました。
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◎工藤 篤議員
タイムライン―防災行動計画についてお伺いいたします。
まず最初に、台風10号の記録的豪雨によって甚大な被害、犠牲になられた方々を初め御家族の皆様、さらには自宅の水没や流出、ライフラインの崩壊、農作物被害等に遭われた地域の皆様に心からお見舞い申し上げます。
さて、今回の台風にかかわってのテレビ報道の中で、被害状況に触れる一方、事前に防災のための行動を共有するタイムラインが取り上げられておりました。複数のテレビで報道されていましたので興味深く拝見しましたが、災害時による事前の対策としては有効であるということを強調していました。タイムライン――防災行動計画について、市としてはどのように捉えておりますか。
○総務部長
タイムラインにつきましては、市や防災関係機関が連携をして、災害時に発生する状況をあらかじめ想定し、共有した上で各防災関係機関や住民がとるべき防災行動を時系列で整理した計画でありまして、特に洪水水害のように災害発生まで一定程度時間があり、事前に災害や被害の規模などを想定できる場合におきましては、災害発生前の早い段階から連携のとれた迅速かつ効率的な防災活動につながるものと考えておりますことから、被害の最小化を図るためには有効なものと認識をしているところでございます。
◎工藤 篤議員
従来の地域防災計画並びに避難行動要支援者支援計画との違いがあるとしたらどこにあるのでしょうか。
○総務部長
地域防災計画は、地震などの各種災害に対しまして市や各防災関係機関、市民等が行う予防・応急・復旧等の対策を定めたもので、函館市防災会議が策定する本市における防災対策の根幹となる計画でございます。その地域防災計画に定められております市や防災関係機関、市民等が行う防災活動を災害種別ごとに時系列で整理したものがタイムラインであると考えております。
また、避難行動要支援者支援計画につきましては、地域防災計画に定めている防災対策の一つである要配慮者対策を推進するために策定した個別の計画でございまして、平常時からの地域住民による見守りや、災害時における避難支援などを詳細に定めたものとなっているところでございます。
◎工藤 篤議員
私が知り得る範囲では、国土交通省、水災害に関する防災・減災対策本部防災行動計画ワーキンググループが、「タイムライン(防災行動計画)策定・活用指針(初版)」が、この8月に発行されたばかりです。
地域防災計画に定められている市や防災関係機関、市民等が行う防災活動を災害種別ごとに時系列で整理したものがタイムラインであるとの御答弁からは、本市として策定されているように受けとめられるのですがいかがでしょうか。
○総務部長
国土交通省におきましては、台風に伴う大規模な水害による被害を最小化するため、国管理河川を対象にタイムラインを策定する取り組みを進めてきておりまして、この8月にはタイムライン策定・活用指針を作成し、さらなる普及に努めているところでございまして、本市におきましては、本年3月、活火山恵山に噴火警戒レベルを導入するに当たりましてタイムラインの概念を取り入れまして、火山活動の状況に応じた各防災関係機関や住民の行動計画を作成したところでございます。
また、本年7月には、土砂災害などに対する災害対策本部の対応を時系列で整理した函館市災害対策本部活動要領を作成したところでありますので、今後これらをベースにタイムラインの策定について関係機関と協議をしてまいりたいというふうに考えてございます。
◎工藤 篤議員
わかりました。2013年10月、アメリカニュージャージー州を襲ったスーパー台風で約4,000棟が高潮被害を受けたものの人的被害ゼロであったということですが、タイムラインに従った行動によってとの総括のもと、従来の防災から一歩先を見越した防災対応として注目されているようです。
釈迦に説法ではありませんが、防災においては「空振りは許されるが見逃しは許されない」という言葉があります。本市としても一部その考え方によって対応している分野もあるようですが、全体化できるものであれば、さらに検討を深めていただきたいと問題提起し、一般質問を終わらせてもらいます。
by atsushi-kudou | 2017-01-12 20:18