日大アメフト問題に思う  ≪平成30年5月26日≫

 日大アメフト問題がかまびすしい。


 以下の「3つの感謝」の文章は、昨年の函館市ラグビー協会広報誌「スピリッツ」の巻頭言に掲載しました。

 3年前、函館市で開催された北海道ラグビースクール大会開会式の挨拶で同趣旨のことを申し上げましたが、今年のスクール卒業式で、卒業生がこんな風にお別れの挨拶をしました。


― ラグビーをやる上で3つの感謝を忘れてはならない、ということを教わった。でも、僕はそれだけでは足りないと思う。仲間と出合ったこと、一緒にたたかった仲間への感謝、このことは僕の力になっている。―


 ラグビーの精神がしっかりと彼らの中に浸透していることを目の前にして、誇りに思いました。

 ********************************

          - 3 つ の 感 謝 -

「ラグビーをやる上において感謝の気持ちを忘れてはならない。」と言われたことを思い出します。


 闘球と言う和名のラグビーは、正しくボールを駆使しての闘いです。激しく、きつく、痛い。

 試合終了を表すノーサイドは、戦い終えたら両軍のサイドが無くなって同じ仲間だという精神に由来すると言われています。でもそれは、対戦してくれる相手をリスペクトし、感謝しているからこそであって、ノーサイドそのものが独立した言葉ではないのだと思います。


 次に、15人という最もプレーヤー数が多いラグビー競技は、ノッコンやスローファード等の反則を見極めるレフリー自身のポジショニングと相俟って、アドバンテージの適用等、ゲームの流れを読みつつ笛を吹くという高度な技術が求められます。さらに、それらを可能とするフィットネス(走力)が最低限の条件となるのは言わずもがなのことです。

 これら厳しい条件をクリアするレフリーがおられるからこそ試合が成り立つ、この当たり前のことに改めて感謝の念を持たなければなりません。


 また、監督やコーチ、家族等、サポートしてくれる方々がいることによってラグビーを続けることができます。

 根崎ラグビー場の維持管理一つとってみても、平成28年度で言えば39回の芝刈りが協会関係者自らの手によって行われました。

 加えて撒水、目土入れ、肥料散布など間断ない手入れによって現在のコンデションが保たれています。

「感謝の気持ちを忘れるな」という諸先輩からの言葉、次世代に繋げていきたいと思っております。



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# by atsushi-kudou | 2018-05-26 10:11 | 新人議員「虚心平気」  

部活動と教職員の勤務態様 29年12月議会② ≪平成30年3月27日≫

部活動と教職員の勤務態様①

◎工藤 篤議員
 多くの教員が負担を感じながらも、教師としての使命感や責任感をもって部活動に携わっている状況、この答弁そのものが事実上否応なく部活顧問となっていると捉えた方が現実的な見方ということを現しております。

 次に進みますが、教員の1日の勤務時間は休憩時間を除いて7時間45分です。学校によって若干の違いはあるでしょうが、出勤時間が朝8時としますと、勤務終了時間は16時45分となります。
 そこで45分の休憩時間の取り扱いはどうなっているのでしょうか。

また、当市の学校では、どの位の休憩を取っているかの実態調査を行っていますか。

◇答弁
学校におきましては、一般的な職場のように昼食時に45分間の休憩時間を設定することは難しく、本市の多くの学校においては、終業時刻の10分前に休憩時間が終わるように設定しておりますが、実際には、休憩時間においても児童生徒への対応を行う場合が多くあるものと認識しております。

◎工藤 篤議員
 平成19年中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育員給与の在り方に関するワーキンググループによる「今後の教職員の在り方(答申)の「第四章 教員の勤務時間・勤務体系の在り方」を拝見しますと、
- 7月、9月、10月の通常期における1日あたりの休憩・休息時間は、小学校の教諭で7月9分、9月9分、10月6分、中学校の教員で7月10分、9月11分、10月7分となっており、事前に割り振られているはずの休憩・休息時間が、子どもたちへの指導等があるため、結果として十分に取れていない現状がある。―
と報告しております。

 さらに、
― このように、通常期においては、授業の始業時間から終業時間まではもとより、放課後においても子どもたちが学校にいる間は、子どもたちの教育指導や安全管理の責任などを負うことになるため、事務の軽減措置や勤務時間の適正な管理の取り組みだけでは対応しきれず、8時間の正規の勤務時間を超えてしまうことがどうしても多くなってしまっている。―
とも記されております。

 10年も前の調査ですが、状況は変わっていないと思われます。
 中学校の3ヵ月の平均休憩時間は9.3分ですが、仮に10分とした場合、35分、休憩時間が取られていないことになります。

 勤務時間は16時45分までとなっているものの、計算上は休憩が取られなかった35分を差し引いた16時10分が勤務終了時間とみなされるかと思います。
 例えば、部活動が18時まで行われた場合、16時45分から18時までの1時間15分が、実際上は1時間50分、いわゆる教師の好意による自主的な残業時間と考えられます。

 ウィークデー5日間で4週としますと、1時間50分×5日×4週で36時間40分、土日2日間、半日ずつとすれば少なくとも8時間の拘束、それが4週としますと、32時間、合わせると68時間40分となり、8時間の通常勤務で言えば1ヵ月8日あまり多く働いたと、計算上はそうなります。

 あくまで仮定の話しですが、計算上でご指摘の点はありますか。

◇答弁
工藤議員の仮定による計算結果は、そのとおりであると思います。

◎工藤 篤議員
あくまで仮定の話ではありますし、平均でございませんから、それにしても部活動だけの時間外で月68時間あまり、それ以外の分もあるとしたら、いわゆる過労死ラインの80時間を超えているのではないかという指摘も頷けるものがあります。

次に、平成28年度から行われている「部活動地域支援者活用事業」ですが、これは私自身、平成27年3月議会で、「教員の勤務時間や専門外指導による精神的な負担軽減、専門的なコーチングにより生徒の可能性を引き出す機会創出」を主とした理由で提言しましたので大変うれしく思いました。

それで、この2年間、部活動地域支援者活用事業はどのように行われ、どのような成果を挙げているのかお伺いします。
また、実施段階で隘路が生じてきておりませんか。

◇答弁
本事業は,部活動の充実および技術指導面や精神面における教員の負担軽減を図るため,専門的な技術指導ができる部活動地域支援者を希望があった中学校に配置する事業でございまして,昨年度は9校に12名,今年度は13校に19名の支援者を配置しております。

支援者を配置した学校からは,
・業務面や精神面において教員の負担が軽減された
・生徒一人ひとりの技能に合わせたきめ細かな指導や専門的技術に関する個
別の指導が可能になった
・・・、などの声をお聞きしているところでございますが、実施段階においての特に支障となるような課題になどについてはお聞きしていないところでございます。

教育委員会といたしましては,今後におきましても,学校のニーズに応じた支援者が配置できるように十分配慮して本事業に取り組んでまいりたいと考えております。

◎工藤 篤議員
 分かりました。
 先程の午前中の議論にもありましたとおり、中学校全体の数から見ると、また部の数から見ると、ほんの一部にしかすぎないということでありますので、今後の拡大というか適用に期待をしております。

 続きまして、先月の17日の日経新聞に「中学の部活顧問、半数超が『休息不足』スポーツ庁調査」という見出しで、公立中学校の運動部顧問の半数超が疲労や休息不足で悩んでいる―。」といった記事が掲載されていました。

 記事は、
― 部活動を持続可能にするための考え方を聞いたところ、公立中の保護者の43%が「できる範囲で今までどおり学校・教員が担う」と答えた。「教員とは別に実技指導者を配置」は33%、『学校から地域の活動へ移行させる』は7%。教員の多忙解消策として外部指導者の活用や地域への移行が議論されているが、保護者の理解を得るのは簡単ではなさそうだ。―
と結んでいましたが、教員が部活動の顧問を担うのは当たり前だ、との認識で記事を起こしているように思いました。

 話は変わりますが、今月5日のNHKラジオ番組「すっぴん」で「中学の部活動、具体的には吹奏楽部顧問と生徒のしっくりいかない関係をどうしたらいいか」という視聴者、この場合は生徒のお母さんからからの相談に教育評論家尾木ママが答えておりました。
 尾木ママは元々教員でしたので、もちろん部活顧問をなさり、そのことで苦しんでいた経験もあってか、「中学の部活動は学校運営最大の矛盾、部活顧問は、基本ボランティアでの時間外労働ということを生徒はもとより保護者にも理解してもらった上で、その部活に対しては専門外、未経験であったが、学校の部活顧問配置等の理由により押しつけられたとか、そういうような先生の立場をおもんばかり、色々知恵を絞って対処すべき」といったようなお話をなさっておりました。

番組のアナウンサーはもとよりパーソナリティーも、部活動における教員の立場については初めて知ったらしく驚いていましたが、スポーツ庁調査は、問題の肝心なところをオブラートに包んでというか、全く明らかにしない中で、現象面だけの調査に終始しているように思いました。
事実、その調査を見た中では全く触れられておりませんでした。
従って、それらの本質に切り込む術もない日経新聞の記事は、読者に迎合したような文言になってしまったと受け止められます。

これまで展開してきたように、問題の本質とは、「部活動は教員のボランティア活動で成り立っている」ということであり、「生徒のためという大義にNOと言えない教員の習性に訴え、制度的な、法律的な制約に縛られ学校運営を図ってきた学校現場が、その矛盾を押しつけられてきたものだったのではないか、と受け止めております。
どのようなご見解をお持ちでしょうか。

◇答弁
教員としての使命感や責任感から、負担を感じながらも部活動指導に従事する教員もいる一方で、部活動指導にやりがいを感じながら情熱を傾けている教員もおります。
今般、教員の長時間勤務の実態が注目されておりますが、働き方改革を進める中で、部活動についても、保護者や地域住民のご理解もいただきながら、教員の負担軽減を図る必要があると受け止めております。

◎工藤 篤議員
かく言う私も、「教員が部活顧問をやるのは当然、今度の先生は力がない、前の先生の方がナ」といったような受け止めをしておりましたが、実は部活動に関連する本、ネットでの資料等をめくっていて、大きな勘違いをしていたのではないかと思うようになってきました。
教員が置かれている勤務態様に思いを馳せずに、子どもたちの部活動の成果を上げるためにという視点で見てきたようです。

さて、日本の長時間労働については、先程の教育評論家尾木ママは、「現状の教員の勤務状態下では、年に1人や2人、過労死してもおかしくない」、と仰っておりましたが、これらの状況下にあって文部科学省は平成28年4月「次世代の学校指導体制にふさわしい教職員の在り方と業務改善のためのタスクフォース」を設置し、平成29年1月に文部科学大臣が「学校現場における業務の適正化に向けて」を発表、教員の担うべき業務に専念できる環境整備を目指す、部活動の適正化を推進し、部活動の負担を大胆に減らす、国・教育委員会の支援体制を強化すると、大きく3つの柱に集約し、考え方を示しております。

これらの動きに呼応したのか、北海道教育委員会、札幌市教育委員会が「学校閉庁日の検討」「部活動休養日の完全実施」等を柱とした方針が示されておりましたので、函館市教育委員会として、どのような段階にあるのかをお聞きしたいと思っておりましたが、午前中の一般質問のやりとりで理解をいたしました。ぜひ成果が出るよう、方向性を期待しております。

 ただ、「部活動指導にやりがいを感じながら情熱を傾けている教員もおります。」 とのご答弁にあるように、確かにそういう先生方がいらっしゃるのは十分承知しております。
特に、その部門のエキスパートであった先生は、現役時代の経験を下に、指導者として情熱を燃やすというのはよく分かります。
また、そういう先生は、出場した大会等の結果、成果とともに、生徒や保護者、また地域の方々、もちろん教育委員会からも、教員として高い評価を受ける傾向が見られます。

 前段に申し上げたように、教員の給与水準が一般の公務員より優遇措置が執られているのは、「教員は、仕事が授業中心に行われている。従って、教材の準備や家庭訪問など勤務時間外に行われた場合に勤務に該当するかどうかが判断できにくいことがある。つまり、教員の職務と勤務形態には特殊性がある。」ことからと説明されております。
つまり、教員の本分は、教材研究をしっかりして、準備万端で子ども達の前に立ち、授業をするということだろうと思います。

子ども達には授業も部活もしっかりやれとは言うが、教員として両立するのは時間的に無理だと本音を吐く先生方も少なくないといいます。
 初任者とか、せめて3年目までは部活顧問から自由にしてやってほしい、と仰る先生もおられるようです。

 また、教員の長時間勤務の実態が明らかになり、働き方改革を進める中で、部活動についても,保護者や地域住民のご理解もいただきながら,教員の負担軽減を図る必要があると受け止めている、ともご答弁されておりますが、もちろん、保護者や地域住民の理解は大切なことですが、もっと大事なことは、そういう実態を放置してきた文部科学省なり教育委員会が、いわゆるグレーゾーンなるものに真摯に向かい合うことだと思います。

  平成15年2月26日、最高裁のいわゆる「鳥居判決」は、
― 教育職員が所定勤務時間内に職務遂行の時間が得られなかったため、その勤務時間内に職務を終えられず、やむを得ずその職務を勤務時間外に遂行しなければならなかったときは、勤務時間外に勤務を命ずる旨の個別的な指揮命令がなかったとしても、それが社会通念上必要と認められるものである限り、包括的な職務命令に基づいた勤務時間外の処務遂行と認められる。」―
とした第一審の判示は、高裁で承認され、最高裁において維持されました。

 つまり、最高裁は、教師の勤務時間後の部活動指導や、教材研究等の残業は、自発的なものではなく公務であり、校長から命令されたもの、校長の「包括的職務命令」とハッキリ言明しております。

 前段のご答弁「文部科学省が教職調整額の見直し等を目的に設置した検討会議においても超勤4項目以外の勤務時間外の業務は,自発性に基づくものとして整理される旨述べられているところであります。」を改めてみると、正に学校現場を知らずしての認識だと思います。

 包括的職命令の意味を噛みしめ、いわゆるグレーゾーン、曖昧模糊とした現状に向き合い、変えていく努力なしに、この課題解決はないと思いますが、いかがでしょうか。

◇答弁
教育委員会といたしましても、部活動は教職員の長時間勤務の要因の一つになっているものと捉えております。

現在、国におきましては、中教審「学校における働き方改革特別部会」において、学校における勤務時間およびその管理のあり方に関する検討などが行われ、中間まとめを策定する予定でありますことから、今後のそうした国の動向を注視する一方で、私どもといたしましては、教職員の業務改善に向けた取り組みを進めるなか、部活動におきましては、部活動地域支援者の活用を推進するとともに、国において制度化された各種大会や練習試合等への生徒の引率も可能な部活動指導者の配置についても検討してまいりたいと考えております。

◎工藤 篤議員
 ご答弁されていらっしゃる部長ご自身、私どもが何やかんや言うよりも、もっと多くの矛盾を知り得ておられると拝察しております。
 悪法も法ですから、法を根拠に学校運営を行っていかなければならない立場は重々承知しながらも、現場の実態、想いをきちんと国に届けていかなければならないと思います。ぜひ、そういった機会を捉えてご努力願いたいと存じます。

 さて、部活動における生徒の居場所づくり、勝利至上主義に陥りやすい部活動、外部指導員の在り方等、さらには学校現場における業務の適正化に向けてにおいて提起されている部活動関連以外の教員の担うべき業務に専念できる環境制度および国・教育委員会の支援体制の強化については、また別な機会があれば議論したいと思いますが、部活動に関して一つ提案があります。

スポーツを始めるに当たってもっとも大事なことはフィットネスでありフィジカルだということです。
ラ・サール高校ラグビー部が、2回目の花園切符を手にしました。市長はOB会の名誉会長になられたとお聞きしていますので、ご存知のことと思いますが、ラ・サール高校は、今年学校外からプロのストレングス&コンデショニングコーチを招聘し、指導を受けたとのことであります。
このことによってフィットネス向上とフィジカル強化が図られ、体格にまさる相手に大きな成果を挙げた要因でもあったと伺っておりますが、確か北海道新聞でも取り上げていましたから、ご覧になった方もいらっしゃるかと思います。

ラ・サール高校ラグビー部の花園での活躍・躍動を大きな期待を持って楽しみにしておりますが、このラ・サールの先駆的な取り組みは大変参考になるのではないでしょうか。

例えば、市がこのようなコーチを採用し、あるいは委託して、各学校を回って部活道の指導に当たらせる。子ども達のフィットネスの向上はもとより、フィジカルの強化を図り、幾ばくかでも部活顧問の負担軽減にも繋がる。さらにそのことによって、競技力の向上にも貢献する。正に一石二鳥、三鳥ともなる取り組みだと信じております。
是非、ご検討いただきたいと思いますが、今の時点でのお考えをお伺いします。

◇答弁
学習指導要領では、部活動については、スポーツや文化および科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等に資するものであると示されており、各学校では、より高い水準の技能や記録に挑むことを重視する生徒や自分なりのペースでスポーツに親しみたい生徒など、様々な生徒のニーズに応じて部活動を進めているところであります。

教育委員会といたしましては、現在、種目毎に行われている「部活動地域支援者活用事業」において、今後、基礎トレーニングにおける専門的な指導の要望が学校からあった場合には、そうした人材の活用を検討したいと考えております。

◎工藤 篤議員
部活にプライスレス(註①)を見いだし、リミットレス(註②)になっていく反面、健康志向、体力向上の一つとして、仲間と楽しんでいければいいやというなどと、様々なニーズが内包しているのは確かだと思いますが、そこの議論は別の機会に譲ることにしまして、ストレングス&コンディショニングコーチの活用に対しては、学校側の要望があれば検討するとのことであります。
必ずしも前向きな姿勢とは受け取れませんが、ぜひ検討課題としてください。


註:①プライスレス
⇒お金では買うことのできないような非常に価値のあるもの
  ②リミットレス
  ⇒無限の、無制限の、無期限の、広々とした


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# by atsushi-kudou | 2018-03-28 02:21 | 新人議員「虚心平気」  

部活動と教職員の勤務態様 29年12月議会①  ≪平成30年3月27日≫

 部活動は、基本的に教職員のボランティアで成り立っていることをご存知でしたか?
 私自身もつい最近まで、教職員の本来業務だと思っていましたが、実は違っていたのです。
疑問に思ったことは追求したくなる性格、少し勉強させてもらい、一般質問に取り上げてみました。
議論がかみ合わなかったり、うまくかわされたなと思ったところはありましたが、それは次回に繋げたいと考えているところです。

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◎工藤 篤議員
 平成27年3月議会で中学校の部活動に関わる教職員の勤務について、具体的には勤務時間と処遇についてお尋ねしたところ、勤務時間を超えて活動を行っている場合があるとのお答えでした。
 その実態を把握しておりますでしょうか。

◇答弁
各中学校において教員が勤務時間を超えて活動を行っているという状況は、現在もあるものと認識しております。

◎工藤 篤議員
 認識していらっしゃるとのことですが、どの位の時間か押さえておりますか。

◇答弁
平成28年度に北海道教育委員会が実施しました「教職員の時間外勤務等に係る実態調査」によりますと、主幹教諭と教諭の平日の残業時間は平均で1時間38分、そのうち、「部活動・クラブ活動」は平均22分となっており、土日や祝日等の残業時間は平均2時間41分、そのうち、「部活動・クラブ活動」は平均で2時間20分となっております。

◎工藤 篤議員
 処遇についてですが、土・日や祭日などに部活動を4時間以上行う場合には、教員の特殊業務手当として日額2,4000円が支給されているとのことですが、実際、1年間でどの位の手当が支給されているんでしょうか。

◇答弁
教員特殊業務手当は、教員が学校の管理下において行われる部活動における指導業務を、土・日曜日などの週休日等に引き続き4時間程度行った場合に支給される手当でございます。
教員特殊業務手当を含めまして、県費負担教職員の報酬および職務を行うために要する費用は、法令に基づき北海道が支給しており、函館市教育委員会においては、その支給額等については把握していないところでございます。

◎工藤 篤議員
ウィークデーの部活動に対しての処遇については、「教職員の給与は、一般の地方公務員に比して教員特有の職務や勤務態様の特殊性が考慮され、給与水準において優遇措置が講じられるとともに、時間外勤務手当の代替措置として教職調整額が支給されている。部活動は、ほかの教育活動に準じて校務として行っているもので、平日の部活動の指導について、勤務時間を超えて指導した場合においても、特に手当が支給されていない。各学校において、そうした状況を踏まえ、教員の理解と協力のもと指導が行われている」とのお答えでした。

 教職員の給与は、一般の地方公務員より給与水準において優遇措置が講じられている、とのことですが、人事院規則上、どのように措置されているのか、教えてください。
 つまり、教員特有の職務や勤務態様の特殊性が考慮され、とありますが、一般の地方公務員とどこが違うのか、具体的に教えてもらえればと思います。

◇答弁
教員の給与水準につきましては、「学校教育の水準の維持向上のための義務教育諸学校の教育職員の人材確保に関する特別措置法」第3条において、 一般の公務員の給与水準に比較して必要な優遇措置が講じられなければならない旨,規定されているところでございます。

◎工藤 篤議員
公立の義務教育諸学校等の教職員の給与等に関する特別措置法第1条に「教育職員の職務と勤務態様の特殊性に基づき、その給与その他の勤務条件についての特例を定めるものとする。」を受けた中で、第3条があると思います。

一般の公務員との違いというのは、「教員は、仕事が授業中心に行われている。従って、教材の準備や家庭訪問など勤務時間外に行われた場合に勤務に該当するかどうかが判断できにくいことがある。つまり、教員の職務と勤務形態には特殊性がある。」ということなのだろうと思います。

次に、時間外勤務手当の代替措置として教職調整額が支給されている、とありますが、それはどの程度のものですか。

◇答弁
教職調整額につきましては、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法などに基づき,給与月給の4パーセントとなっております。

◎工藤 篤議員
 教職調整額は本給の4%の教職調整額を、行政職給料表300,300円で計算してみました。12,012円となります。
時間外手当の単価2,282円で除すると5時間15分となりました。
つまり、時間外勤務手当の代替措置として支給されている教職調整額を逆算すると、概ね5時間ちょっとの時間外手当に相当するということになるのではないかと思いましたが、そういう理解でよろしいですか。

◇答弁
教職調整額の積算につきましては、昭和41年に文部省が実施した「教職員の勤務状況調査」の結果を踏まえて超過勤務時間相当分として積算されたものでございます。

◎工藤 篤議員
 そうですね。教職調整額は本給の4%と決めた制度導入時、今おっしゃったように昭和41年度ですが、文部省が実施した「教員勤務状況調査」の結果、
超過勤務時間、1週間平均でいいますと小学校が1時間20分、中学校が2時間30分、平均で1時間48分となります。

 年間52週から夏休み4週、年末年始2週、学年末始2週の計8週を除外しますと、年間44週になります。
教職調整額は勤務時間の長短にかかわらず、職員、教員の勤務時間の内外を問わず包括的に評価するものとして、給料の4%を支給ということでありました。
 それで、一月4%というのは、どの位の超過勤務時間になるのか計算してみました。
 年間44週ですから、12月で割ると3.7週になります。
 3.7週に、週平均超過勤務時間1時間48分をかけると、6時間40分になります。 

 先ほど、私が申し上げた考えでは5時間ちょっとでしたが、6時間強、7時間弱を目安に4%の教職調整額を決めたことになるのだと思います。

 いずれにしましても、教職調整額は、時間外手当の代替措置ということは分かりました。
それでは、時間外勤務の法的根拠はどうなっていますか。

◇答弁
教育職員を正規の勤務時間を超えて勤務させる場合等の基準は、法令により、校外実習その他生徒の実習に関する業務、修学旅行その他学校の行事に関する業務、職員会議に関する業務、非常災害の場合、児童又は生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする場合、その他やむを得ない場合に必要な業務と定められ、時間外勤務を命ずる場合においても臨時または緊急のやむを得ない必要があるときに限るものとされております。

◎工藤 篤議員
 つまり、教育職員に超勤4原則、一つは生徒の実習関連の業務-校外学習とか、二つ目は学校行事関連の業務-修学旅行とか、さらに職員会議、そして災害時等の緊急でやむを得ない業務、これら以外に時間外勤務を命ずることはできないという理解でいいですか。

◇答弁
政令に定めのある業務、いわゆる超勤4項目以外の業務につきましては、時間外勤務を命ずることはできないものとなっております。

◎工藤 篤議員
 次に、勤務時間外の部活動は、超勤4原則に含まれますか。

◇答弁
いわゆる超勤4項目には含まれないものとなっております。

◎工藤 篤議員
 現行制度上で、超勤4項目以外の勤務時間外の業務は、超勤4項目の変更をしない限り、業務内容の内容にかかわらず教員の自発的行為として整理せざるを得ないことになる、と指摘されているようですが、どのようにお考えですか。

◇答弁
法令におきましては、超勤4項目以外には時間外勤務を命じられないものでありまして、文部科学省が教職調整額の見直し等を目的に設置した検討会議におきましても、超勤4項目以外の勤務時間外の業務は,自発性に基づくものとして整理される旨述べられているところであります。

◎工藤 篤議員
 その場合、教員の自主的・自発的行為であり、部活動はそれに当たる行為であるとするならば、事故・事件等が生じた場合の責任体制と賠償問題はどのようになりますか。
 もうちょっと具体的に言えば、部活動時における教員自身の公務災害と、生徒に対する責任、国家賠償法の適用についてお知らせください。

◇答弁
北海道教育庁教育職員局給与課が作成した公務通勤災害のQ&Aによりますと、勤務時間外の部活動指導は学校の教育活動として行われ、学校が計画し実施するものと認められるもので、その執行方法,成果の報告などについて、校長の指示に従い、校長が責任を取りうる体制の下に実施されるものは、公務として認められる対象となり、公務災害の適用となるものであります。

また、故意または過失によって違法に他人に損害を加えたときは、国家賠償法が適用されるものでございます。

◎工藤 篤議員
 それを聞いて安心しましたが、少しお聞きしたいことがあります。
 それは、公務災害の対象となるには、「公務遂行性」と「公務起因性」の2つの用件を満たすことが必要であること。
前者の公務遂行性とは、災害が使用者の支配管理下において発生したものであることであり、直接的でなくても休憩時間等使用者の支配管理下にある場合には公務遂行性があるといえる。
後者の公務起因性とは、災害の発生と公務との相当の因果関係があることである。との指摘でありました。

これからいうと、勤務時間外で超勤4項目に該当しないような教職員の自発的行為に対しては、公費支給はなじまないのではないか。
また、公務遂行性が無いことから公務災害補償の対象とならないため、別途、必要に応じて事故等に備えた保険が必要。との考え方であります。

 先ほどのご答弁ですと、「公務遂行性」は、「勤務時間外の部活動指導は,学校の教育活動として行われ,学校が計画し実施するものと認められるもの」であるから問題なし。

 「公務起因性」からは、「校長の指示に従い,校長が責任を取りうる体制の下に実施されるものは,公務として認められる対象となる」から問題なし、と理解されます。

 ただ、ここで新たな矛盾が生じてまいります。
勤務時間外の部活動指導は、超勤4原則に含まれないということです。
 しかし、校長の指示に従い、校長が責任を取りうる体制の下に実施されるものというのは、正しく教員の本来業務としての扱いになっていることを示し、そもそも、ボランティア活動といった曖昧模糊とした対応では説明できないものなのではないでしょうか。
 その辺は、どうお考えでしょうか。

◇答弁
勤務時間外であっても、学校の教育活動として行われ、学校が計画し実施するものと認められるもので、その執行方法、成果の報告などについて、校長の指示に従い、校長が責任を取りうる体制の下に実施される部活動は、学校教育の一環として行われており、教員の職務でございます。

◎工藤 篤議員
 矛盾はそのままにして、また先に進みます。
 「部活動は、ほかの教育活動に準じて校務として行っている」とのことですが、校務とは具体的にどのようなものを指すのですか。

◇答弁
校務の定義については、一般的には,学校の行うべき仕事全体をいいまして、教職員に関すること、施設・設備等に関すること、児童生徒に関すること、教育活動に関すること、その他学校の運営に関することとなっております。

◎工藤 篤議員
校務の第一に、教育課程に基づく学習指導などの教育活動に関する面が挙げられますが、一方で、「部活動は、ほかの教育活動に準じて校務として行っている」との整合性についてお尋ねいたします。

すなわち、校務とは「教育課程に基づく」云々とされますが、教育課程のどこに「部活動」が記載されているのか、お伺いします。

◇答弁
中学校における部活動は、教育課程外の活動であるものの、学習指導要領におきましては、学校教育の一環として、教育課程との連携を図られるよう留意することと示されております。

◎工藤 篤議員
 中学校学習指導要領の総則第5節、学校運営上の留意事項、1教育課程の改善と学校評価、教育課程外の活動との連携等のウには、
「教育課程外の学校教育活動と教育課程の関連が図られるように留意すること。特に、生徒の自主的、自発的な参加により行われる部活動については、スポーツや文化、科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等、学校教育が目指す資質・能力の育成に資するものであり、学校教育の一環として、教育課程との関連が図られるよう留意すること。その際、学校や地域の実態に応じ、地域の人々の協力、社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携などの運営上の工夫を行い、持続可能な運営体制が整えられるようにするものとする。」、と書かれております。

 これを見ますと、部活動は生徒の自主的、自発的な参加によるものであり、生徒全員を強制入部させる必要はないこと、また、部活動は学校教育の一環ではあるが、教育課程との関連を図る活動、つまり「教育課程外の教育活動」であることがわかります。
 いわゆる、オプションだと捉えることが出来ますが、そういう理解でいいですか。

◇答弁
部活動につきましては、学校指導要領にありますとおり、生徒の自主的、自発的な参加により行われるものでありまして、強制的に加入させるものではございません。

◎工藤 篤議員
 それでは、部活動の顧問は、どのように決められているのでしょうか。

◇答弁
部活動の顧問につきましては,各学校におきまして、本人の希望や業務のバランス、経験等を考慮し、教員と協議の上、校長が決めているところであります。

◎工藤 篤議員
 それで、教員の全員顧問制度を取っているところはありますか。

◇答弁
一部の中学校におきまして、すべての教員を顧問としている学校がございます。

◎工藤 篤議員
 先程来から議論していますが、理念上の部活動は、「自主的な活動」であります。
これは、生徒だけに当てはまることではなく、顧問教員もまた、自主的に顧問を担当していることになっているはずです。
とは言うものの、全員顧問という形で、自分の意志に関係なく顧問を担当させられることが通例となっているところがあるということです。
2016年、平成28年度のスポーツ庁による全国調査では、87.5%の中学校で教員全員による指導体制がとられ、希望制としているのは5.3%だということのようです。
 つまり、事実上、否応なく部活顧問となっていると捉えた方が現実的な見方だと思いますが、いかがですか。

◇答弁
先程もご答弁いたしましたが、部活動の顧問につきましては、各学校におきまして、本人の希望や業務のバランス、経験等を考慮し、教員と協議の上、校長が定めております。

また、特定の教員に負担がかからないよう、可能な限り複数顧問の配置を検討することが、北海道中学校校長会やPTA連合会、北海道都市教育委員会連絡協議会等の申し合わせや、道教委の時間外勤務等の縮減に向けた重点取組事項の中にも盛り込んでおり、函館市においても、正顧問、副顧問などの違いはあるものの、一つの部活動を複数の教員で担当する場合があり、多くの教員が負担を感じながらも、教師としての使命感や責任感をもって部活動に携わっている状況にあります。

部活動と教職員の勤務態様 29年12月議会②へ つづく

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# by atsushi-kudou | 2018-03-28 02:15 | 新人議員「虚心平気」  

質疑:ロードヒーティング改修事業  29年3月議会   ≪平成30年2月2日≫

 最近、何故か気が乗らない日々を送っています。もちろん、すべてにおいて惰気を催している訳ではないのですが、取り組まなければならない課題を先送りしている自分を自覚しつつ、そんな自分にストレスを感じる、といったような案配です。

 

そんなことで、3月議会の一般質問については、今一度調べ直さなければならないことがあって整理つき次第報告しようと思っていたのですが、まさか質疑までそのままにしていたとは思いませんでした。

 

 これまで、質疑も含めて一般質問のやりとりを簡略化しないで掲載しているのは、発言に責任を持つことはもちろんですが、後々にきちんと記録に残して置くことによって、新たな課題に誠実に対応できるのではないかと考えているからです。

 

水は低きに流れるように、人は弱いもので、楽をしようとなりがちです。そんな中、自分は何を考え、何を喋ってきたのか、それが手元にあり、また公開することによって自分自身にタガをはめ、律していけるのではないかと思っています。

 

さて、以前にも触れましたが、本会議での「質問」は当該団体の事務全班を対象に、疑問点と自己の意見を述べることができますが、「質疑」は議題となった案件を対象として疑問点だけしか述べることができません。

 

 提出案件は大概が3つの委員会に付託されますが、所管外の案件を訊くのは本会議での質疑の場面でしかできないので、事実関係、疑問点を質し、場合によっては一般質問に繋げていくことになります。

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◎工藤 篤議員

ロードヒーティング改修事業についてですが、市道公園通2号に設置しているロードヒーティングの改修理由についてお伺いします。

 

土木部長

本市のロードヒーティングにつきましては、103カ所設置されておりまして、そのうち耐用年数とされている15年以上が経過している箇所は83カ所であり、施設の老朽化の進行により維持管理費が増加傾向にあります。

 

このような状況を踏まえ、社会資本整備総合交付金の制度を活用し、計画的な施設の改修を進めようとするものでございまして、平成29年度は整備から19年が経過し、老朽化が進行している市道公園通2号、通称高砂通でございますが、ここと市道松代通の交差点部にある中の橋に設置している施設の改修を実施することとしたものでございます。

◎工藤 篤議員

改修を箇所づけするための具体的な実施基準は策定しておりますか。

 

土木部長

改修の箇所につきましては、今年度に策定いたしました「ロードヒーティング更新・修繕についての方針」において、設置からの経過年数が多い施設であることや、補修頻度が高くなっている施設の状況を把握した上で、各施設の改修内容と優先度を定めているところでございます。

◎工藤 篤議員

わかりました。
 それで、市民からの新規要望に対してはどのように対処するのですか。

 

土木部長

これまで、ロードヒーティングの整備につきましては、道路の縦断勾配が原則として6%以上を有する市道の中で、冬期幹線道路網に位置づけられている路線、交差点の前後の勾配が急で交通安全上、特に必要である路線などにおいて、事業費や維持管理費も考慮しながら設置箇所を定め、平成3年度から計画的に整備を開始し、平成17年度で完了したところでございます。

 

したがいまして、新たな整備につきましては難しいものと考えておりまして、地域から整備要望がある箇所につきましては、現地の降雪状況や路面状況に対応した除排雪を行うとともに融雪滑り止め対策として、焼き砂や凍結防止剤散布を実施するなど、冬期間の交通安全の確保に努めてまいりたいと考えております。
 

◎工藤 篤議員

以上で終わります。
 質疑の時間いただいてありがとうございました。今後の一般質問等で生かしてまいりたいと思っております。ありがとうございます。



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# by atsushi-kudou | 2018-02-03 00:25 | 新人議員「虚心平気」  

「海洋環境の変化とコンブ」等 29年6月議会/3月議会     ≪平成29年12月14日≫

函館市国際水産・海洋総合研究センターは、「マリンサイエンスで世界をリードする水産海洋学術研究拠点都市HAKODATE」として生まれました。

函館市国際水産・海洋都市推進機構は、同研究センターに集積された各種機関のコーデネーター的役割を果たすものと理解しております。

いま、浜ではイカ、ホッケ、サケ等の魚類はもとより海藻、特にコンブ類の資源減少に困惑しております。

水産に関してのアカデミックな研究とフィールド調査を同時に手掛けていけるのは、ある意味、同研究センターの役割ではないかとの想いの下、「海洋環境の変化とコンブ」と称して一般質問しました。

なお、前段の3月議会での推進機構への補助金の内容を問うた質疑と合わせて報告します。

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質疑:国際水産・海洋都市推進機構と補助金の内容 29年3月議会

◎工藤 篤議員

一般財団法人函館国際水産・海洋都市推進機構補助金1,692万円の内容を教えてください。

○企画部長

推進機構は、函館国際水産・海洋都市構想の推進母体として設立した法人で、 構想の推進に資する各種事業の実施経費および組織運営に係る経費を補助しております。

内訳といたしましては、「マリンフェスティバル」の開催など、海と親しみ、構想を市民に周知するための経費として179万円、構想推進に係る4名分の人件費として1,282万3千円、理事会等の開催経費や税理士報酬などの事務費として230万7千円、 の合計1,692万円となっております。

◎工藤 篤議員

ご答弁からは、いわゆる経常経費の類いに尽きるというふうに受け取れますが、そういう理解でよろしいでしょうか。 そのほかの機構としての研究課題に対しての経費なり事業費等は予算化していないのでしょうか。

○企画部長

補助金は構想推進にかかわる経常的な経費を対象としておりまして、推進機構では昨年まで機構が主体となった研究は行っておらず、研究のための予算も計上しておりませんでしたけれども、昨年4月に頭足類研究所を開設いたしまして、地域の主要魚種であるイカ、タコ類の研究について外部資金を獲得しての研究を始めたところであります。

この外部資金につきましては、単年度ごとの資金ということで、事業の採択が未確定でありますことから推進機構の予算としては計上していないところでございます。

◎工藤 篤議員

ということは、外部資金を獲得した時点で予算計上するという理解でよろしいですか。はい、わかりました。 続きまして、農林水産費、水産費、水産振興費ですが、水産海洋研究連携推進事業の予算額700万円ですか、の内容を教えてください。

○農林水産部長

この事業は国際水産・海洋総合研究センター入居団体を含む市内の学術研究機関の研究成果などを活用し、本市の漁業が抱える課題を解消するとともに、この実証成果をもとに本市の海洋技術産業の発展に結びつけることを目的に平成27年度から実施している事業でございますが、平成29年度におきましては、平成27年度から続けている海洋環境の変化に適応したコンブ養殖技術の研究、平成27年度から2カ年で設置したユビキタスブイによる観測体制の維持、入舟地区の磯焼け現象の原因究明及び藻場造成の研究を行うほか、新たに漁獲量が減少しているホッケの資源回復に向けた研究にも着手したいと考えております。

◎工藤 篤議員

ご答弁の中に、函館国際水産・海洋総合研究センター入居団体を含む市内の学術機関の研究成果とありますが、その中に市がかかわっているもの、研究資金を提供しているものを教えてください。

○農林水産部長

水産海洋研究連携推進事業では、国際水産・海洋総合研究センター入居団体を含む市内の学術研究機関がこれまで独自に進めてきた研究の成果や知見を活用し、その研究内容をさらに発展させ、本市の漁業が抱える課題の解消につなげようとするものであり、市がかかわってきた研究や研究資金を提供した研究はございません。

◎工藤 篤議員

全般的に漁獲量が減少してる中で、新年度の予定、ホッケの資源回復に向けた研究に着手するということですが、きのうの道新朝刊で内容等が報道されておりました。概略報道どおりということでよろしいんでしょうか。わかりました。

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◎工藤 篤議員

昨年12月議会で、漁業者にとって「国際水産・海洋総合研究センター」がどのような役割を果たしているのかを訊ねてみました。

コンブ関連に限って言えば、

「気候変動に左右されにくいコンブ漁業を目指し、コンブ種苗の陸上での長期保存技術や、必要な時期に成熟母藻を確実に確保するための母藻となるコンブの成熟制御技術,天然コンブが採取できない場合に備えたコンブ優良株配偶体の長期保管技術の開発や,あるいはコンブ育成環境のモニタリング技術の実証などについても外部資金を何とか獲得をして研究を進めていこうと努力している。」

・・・、旨のご答弁をいただきましたが、これはいわゆる養殖コンブのことを指しているのだろうと思います。

一方、天然コンブについては、「藻場の磯焼けによるコンブ幼体の定着不全、ミツイシコンブの枯れ死」をおっしゃっていたようですが、その課題解決については確としたご答弁がなかったように受け止めました。いま一度整理してお答え願います。

○企画部長

近年、海水温上昇などの海洋環境変化により天然コンブの資源量が不安定となり、生産量も減少傾向にありますことから、国際水産・海洋総合研究センターの入居者でマコンブ研究のチームをつくり、高品質な養殖コンブを安定的に生産するための取り組みとして、養殖用母藻の安定供給技術などの開発を行っております。

また、天然コンブに対する取り組みといたしましては,天然の資源が減少している要因を調査するため、水温だけではなく、栄養塩などを含めたモニタリングを行うために必要な技術の開発や,天然コンブが採取できない場合に備えたコンブの長期保管技術の開発についてマコンブの研究チーム内で、検討をさせていただいているところでございます。

◎工藤 篤議員

いまのご答弁の前段からは、高品質な養殖コンブを安定的に生産するため、養殖用母藻の安定的供給技術の開発を行っていると受け取られるのですが、どうも順番が逆なのではないでしょうか。

養殖用母藻、これすなわち天然コンブなんですね。良い天然コンブなくして養殖用母藻にはならないんですね。

ということは、まずは天然コンブ対策が大事だということではないですか。その辺どう認識しておりますか。

○企画部長

天然コンブは,本市における主要な水産資源の一つであり、また養殖コンブの母藻としても必要不可欠でありますことから、これまで天然コンブの資源増大対策として漁業協同組合が必要に応じ禁漁区域を設定しているほか、北海道が事業主体となって増殖場を整備するとともに、国の事業を活用して岩盤清掃や母藻の散布などが行われているところであります。

また、国際水産・海洋総合研究センターに入居している関係者においても、良質の天然コンブ資源の重要性は強く認識されておりまして、天然コンブの育成には海洋環境の変化が大きく関わっているため、環境変動のモニタリングやコンブ配偶体の保存技術の検討のほか、基礎研究としてコンブの遺伝子情報の解析といった取り組みが行われているところであります。

今後も学術研究の立場から地域の課題を少しでも改善できるよう函館国際水産・海洋都市推進機構を通じて入居機関に働きかけて参りたいと考えております。

◎工藤 篤議員

天然コンブについては、ご答弁にある通り、漁協が事業主体として、沿岸漁業構造改善対策事業等の補助メニューを駆使しての増殖場の整備や、着床器質の改善を図る岩盤清掃、加えて母藻散布などを続けてきておりますが、それでもなお総体的に資源量の減少傾向がみられます。

もちろん、昨年度のような極端な不漁、これは昨年1月末の爆弾低気圧による高波被害によってこれから成長するであろうコンブが根こそぎ抜け、流されたということもあります。

こういう時こそ、次年度以降に向けた母藻確保をどうするかということを考えなければならないのですが、これはやられたかどうかは別にして人為的な手立てで一定程度対応可能と言えます。

最悪なのは、自然変動による海洋環境の変化です。

先月30日に「イカ資源評価と予測に関する講演会」に出かけたのですが、イカ不漁の原因は、端的に言えば産卵場及び来遊漁場の環境変化、特に海水温の上昇が大きいのではないかというのですね。

これは、コンブにも言えることで、函館市国際水産・海洋都市推進機構で発行しているNewsletter(平成25年1月1日)には「海水温が高くなり海藻の量がかなり減ってしまう可能性に言及」した対談が掲載されておりました。

現実の資源量の減少は、海底の着床状況の悪化や他の海藻との競合、せめぎ合いなどによるものと、私なりには思っておりますが、海水温の影響も否定されるものではないと考えられます。

そういう意味で、先ほどのNewsletterの中では

「海水温が高くなり海藻の量がかなり減ってしまう可能性があるからこそ、それに対する備えをどうするか。」、とか

「海水温が上限を超えて上昇した時期が続く事態が起きた場合は、高水温に耐える性質を持った系統のコンブを探し出してくるなどといった育種の仕事も必要になる。」、あるいは

「将来何が起こるか分からないので、今のうちにコンブの種を保存しておく必要がある。優秀な種をバンク化して保存することが大切。」

・・・、といった課題が共通認識として披瀝されておりました。

問題は、これらの課題をどのように実際の研究俎上に載せていくかということであります。

前段申し上げましたように、昨年12月議会でのご答弁、「外部資金を何とか獲得して研究を進めていこうと努力している。」にはなかなか意気込みが伝わりません。

もちろん、基礎研究から始めなければならないでしょうから、大変な資金を必要とするのは理解できますが、一定程度の自己資金を都合して研究に着手し、その意気込みなり、成果を持って外部資金の獲得に力を注ぐという取り組みができないのか、今一度伺います。

○企画部長

国際水産・海洋総合研究センターの入居機関は、水産・海洋に関わる様々な分野においてそれぞれが独自の予算をもって研究開発を行っているところでありますけれども、研究開発をより一層進めるためには独自の予算だけでは限りがありますことから、関係団体がチームを組んで,国等の外部資金の獲得に向け,取り組んでいるところであります。

◎工藤 篤議員

残念ながら質問の趣旨に応えたご答弁ではありませんね。

国際水産・海洋総合研究センターを開設、水産・海洋関連産業の振興と学術研究拠点都市の形成に努めるということは、市としても可能な限りの財政支援を考えていかなければならないと思います。

未来をつくるには、今やれることをやっていく、そのことなしに未来を迎えることはできないと思います。

以上を申し上げ、改めての機会に議論してまいりたいと思います。




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# by atsushi-kudou | 2017-12-15 02:42 | 新人議員「虚心平気」