新採用教員を育て、支える校内体制 28年12月議会           ≪29年2月25日≫

 今年初めての徹夜になりました。先月、5時というのはありましたが、徹夜は久方ぶりです。

議会を前にして一般質問等の準備をしているとき、時間を忘れてしまうことがあります。今日はそんな日でした。


 さて、昨年の12月5日午後7時頃、湯の川竹葉新葉亭の温泉から上がって貴重品入れボックスから携帯を取り出したら、着信履歴に息子の小学校時代の恩師の名前がありました。折り返し電話をしましたら、新採用教員の相談を受けているが、私にも聞いてほしいというのです。

 さっそく、伺ってお話を伺ったのですが、何と管理職からいじめを受けている由、これは聞き付けならんと人肌脱ぐことにしました。


 それで、市教委に本人へのサポートはもちろん校内体制に切り込んでもらうためにも、一般質問に取り上げるのも一つの方法ではないかとの合意に至り、以下のような顛末となりました。

 幸い、応対した教育指導課長が繊細で真摯な方で、まず本人の精神的支援を優先し、さらに教員としての力を付けるための指導・助言に努め、その上に立って次のステップに進むことにしました。


 いま7時28分、朝ドラ「べっぴんさん」を観てから休むことにします。


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◎工藤 篤議員

 「いじめ問題」は今なお大きな問題となっていますが、それだけに止まらず学級崩壊、モンスターペアレンツ等々、教員を巡る状況は厳しさを増す一方だと言われております。


 こういう中、中堅やベテラン教員ならいざ知らず新採用教員にとっては、とりわけ即担任を持った場合等には、非常に荷の重いものになるのではと危惧されます。


 従って、新採用教員を孤立させず、育て、支える校内体制が一層求められてきていると思いますが、現状どういう体制になっているのかお知らせください。


○学校教育部長


 新たに採用された教員は,採用された年から5年間,市内においては,南北海道教育センターで開催する研修会へ計画的に参加するとともに,その一方で,校内において,職務遂行に必要な事項に関する実務的・実践的な内容を研修することとなっております。

 
 そうした中,各学校においては,初任者が教師としての使命感や実践的指導力,また,幅広い知見を身に付けることができるよう,研修内容の工夫を行ったり,研修に専念できる体制づくりを進めるなど,新採用教員を支える校内体制の整備に努めているところであります。


◎工藤 篤議員


 新卒採用、いわゆる大学卒業後直ちに採用となる者、卒業はしたものの採用登録には至らず臨時採用として数年現場で経験を積んだ後採用登録される者、と大きくこの二つに分かれるとお聞きしていますが、同じ、新採用教員と申しましても、大きな違いがあると思います。


 実は、先月「自治体議会政策学会」主催の勉強会に出かけてきました。

 主とした講座名は「自治体の議会が今問われていること-減っていく議員定数と民主主義」でしたが、講師の先生が三重県教育委員長をされていたとのことで、教育についても多く語っておられました。

 
 最初に触れましたいじめ問題、学級崩壊、モンスターペアレンツ等々、教育環境、教員を巡る厳しい状況の中で、ノイローゼになって、「うつ」などの精神疾患に陥る新卒採用教員は珍しくない、程度の違いこそあれほとんどがそういう状況になる、とおっしゃっておりました。


 三重県の状況がそのまま当地にあてはまるとは限らないとしても、平成27年12月26日日付けの毎日新聞では26年度にうつ病などの精神疾患で休職した全国の公立学校の教員が5,045人で高止まり状況が続いている、と報道されておりますから、示唆に富むお話ではないのかなと思いました。


 ご答弁にあるように、市教委が色々とご努力なさっていることは分かりますが、ご答弁の趣旨が現場でどのように受け止められ浸透しているのか。いわゆる、新採用教員を抱える実践の場としての校内で、具体的にどのように行われているのか。そして、それらの実践を市教委がどのような形で把握しているのかをお訊きしたいと思います。


○学校教育部長


 各学校におきましては,組織的かつ継続的に校内研修を行うことができるよう,授業研究や生徒指導研修などを通して,ベテラン教員やミドルリーダーの教員が新採用教員の指導教員になるなど,新採用教員を育成していくための校内体制の工夫を図っているところであります。


 教育委員会といたしましても,新採用教員が個々に抱える悩みや課題等の状況を学校訪問や研修会等を通して細かく把握し,アドバイスを適宜行っておりますほか,校内体制のあり方について学校から相談を受けた場合には学校訪問し管理職に指導助言するなど,新採用教員が様々な悩みを乗り越え,児童生徒と向き合えるようサポートしているところであります。


◎工藤 篤議員


 なかなか質問の意図するところを理解してもらえないようです。

 ご答弁のようなことが全ての学校で実践されていたならば、わざわざここでこのような問いかけをしていないのでございます。

 前段、ご紹介した先生は、議員が教育を語るのであれば、少なくとも現場を見なければいけない。それも事前に通知しての行政視察とか、お膳立てをされた参観日などではなく、日常の姿をというのです。

だいたい参観日などは準備されたもの、例えば「今日だけはちゃんとやってね。今日だけは大人しくしてね。」などといった約束事で進められることが多いというのですね。


 日常の中での児童生徒はもちろん教員の姿、会話等を見ること、聞くこと、そういう中にこそ実態が分かるのだとおっしゃっておりましたが、今のご答弁の学校訪問は、事前に通知してからのものなのでしょうか。


 また、「校内体制のあり方について学校から相談を受けた場合は云々」とのことですが、一般的に言われる面子を優先する学校が、そもそも教育委員会に相談するのでしょうか。

 校内体制がうまくいってない学校が、それをさらけ出して市教委に積極的に指導助言を求めるものなのでしょうか。お尋ねいたしたいと思います。


○学校教育部長


 教育委員会では,初任段階研修の一環として,新採用教員の授業参観と本人との協議などを計画的に実施しているところでありまして,これは事前に通知して訪問する形をとっております。


 また,校内体制について相談を受けた場合はもとより,年度当初に行う学校経営について協議する訪問や,2学期に指導主事が学校の要請を受けて行う訪問,学校教育指導監が計画的に行う訪問など,それらの訪問の中で明らかになった課題につきましても,随時,学校教育指導監や指導主事が学校を訪問し,課題の解決に向けて管理職に指導・助言するとともに,継続的に状況を把握しながら,支援に努めているところでございます。


◎工藤 篤議員


 事前通知、学校側の要請、あるいは教育指導監の計画的な学校訪問等々、事前に準備されたものと受け止めました。

もちろん、そういう中で課題等が浮き彫りになり、その解決、改善に取り組まれていることだと思いますし、そのことを否定するつもりは全くありません。大変大事なことだと思います。

 しかし、どうなんでしょう。そういう取り組みだけで足りると思いますか。


○学校教育部長


 教育委員会といたしましては,計画的に複数回の訪問を行い,各学校の状況把握に努めてきているところでありますが,現在の取り組みで十分であるとは考えていないところであります。

 今後,よりきめ細かに各学校の状況を把握できるよう,学校訪問のあり方について工夫改善を図っていくとともに,新採用教員を含め一般の教員が抱えている悩み等を相談できる体制を工夫してまいりたいと考えております。


◎工藤 篤議員


 分からないことがあったら訊きなさい、何でも訊いていいから、とおっしゃってくださる先生がいます。そういう先輩、上司がおります。

 しかし、分からないことが分からないということがままあります。 

 もちろん、これはどこの世界にもあることですが、昔の徒弟制度のように、親方のやっていることを目で見て覚えろ、というような訳にはいかないのが教員という仕事だと思います。

 児童・生徒の前に、新採用教員だからという甘え、言い訳は許されません。それを自覚しているからこそ、自らの力不足に落ち込み、悩み、苦しむのではないでしょうか。


 そんなことは言われなくても市教委は分かっておられ、対策をあれこれ考え実行に移されている訳で、それはご答弁の端々に充分伺われます。

 そういう市教委の意を受けながら、例えばですよ、指導教員や教頭、校長などから他の先生がいるところで「新採用教員は50点もいけば御の字だが、あなたは一桁代だ。別な道を歩んだ方がいいのではないか。」などと言われるとしたら、身の置き場がなくなるのではないでしょうか。


 もちろん、叱咤激励の類いだとおっしゃるのかも知れませんが、彼ら彼女らの欲しいのは、そんな冷たい、突き放した言葉ではなく、サジェスチョンです。荒れた暗い海での灯台の光だと思います。

 少なくとも、新卒採用者は学力、能力的には、クリアーしているのだと信じます。だからこそ採用になったのだと思いますが、そういう彼ら彼女らを孤立させず、導き、育て、支えていく体制を、具体的に作っていかねばならないと思いますがいかがでしょうか。

○学校教育部長


 教育委員会といたしましては,南北海道教育センターにおいて新採用教員や経験年数の少ない教員を対象とした集いの場を企画するなどして,少しでも教員の悩みに耳を傾けられるよう努めてまいりたいと考えております。


◎工藤 篤議員


 南北海道教育センターにて新採用教員等の悩みに耳を傾けられるよう努めるとのことで、大変大事な取り組みだと思いますが、それだけでは十分とは言えないのではないかと危惧されます。  

 校内において、どんな理由、どんな経緯があったにしても新採用教員が追い込まれるようなことがあっては断じてなりません。


 折角の市教委の体制づくりと真逆のことが学校現場で行われていたとするならば、そこにメスを入れていく必要があります。各学校に風通しのよい体制を作ること、実務的には人望のある経験豊かな教員の指導体制の時間的な拡充、あるいは学校評議員とは別な外部からの血、いわゆる地域在住の教員OBをボランティアとして支援・協力を仰ぐなど様々考えられるのではないかと思います。

 以上、色々議論させてもらいましたが、新採用教員を孤立させず、育て、支えていく取り組み、体制づくりに一層のご配意を期待してこの項を終わります。



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# by atsushi-kudou | 2017-02-25 12:44 | 新人議員「虚心平気」  

遊休市有地を活用したエネルギー事業者の事業展開  28年12月議会   ≪29年2月4日≫

「生き馬の目を抜く」という故事があります。
 語源由来辞典には、「素早く事をする様。他人を出し抜いて利益を得る様。油断も隙もないこと。」と書かれておりましたが、海千山千のビジネス界ではよく聞かれる言葉です。

 緊迫感あるやりとり、丁々発止で渡り合うことなどは民間同士ではごく当たり前のことなのでしょうが、行政と民間との間ではあまり見られません。
 行政からの発注、あるいは行政への協力・支援要請等、一歩へりくだっての立ち位置を崩さないのが民間の有り様だと感じるからです。

 しかし、彼らは強かです。会社のため、利潤追求のため、言葉を変えて言えば彼ら自身が生きていくために、もちろん全てがとは言い切れませんが、それなりの言葉を発し、選びます。
 行政の場合、技術系の専門職は別にして人事異動がありますから、その折々に業務を掌握しているとは限りません。従って判断に迷うというか、相手の言うことをそのまま受け取ってしまうことがあります。

 私は30数年行政に携わり、多くの民間の方々とのお付き合いをさせてもらった中で、その人となりに感銘を受け、人生の指針となるような巡り会いもありました。しかし、一方で冒頭触れたような方々にも遭遇しました。

 幸い、私自身大きな傷は負いませんでしたが、それは言葉の裏にある事実確認、リサーチを厭わなかったからだと思います。と言えば格好いいですが、一種の防衛反応というか、これはヤバイのではというカンみたいなものが働いたような気がします。

 さて、市の遊休地を活用した太陽光発電事業に関して、近隣住民から苦情が寄せられました。当初、担当課に善処をお願いしたのですが、方向性が見えませんでしたので、一般質問で取り上げてみました。
 いずれにしても、再生可能エネルギー事業の推進は良いことだから協力するが、近隣住民の理解は業者の方で得てください、といった市の姿勢が明らかになりました。事業によってのリスクは端から考えていなかったようです。

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◎工藤 篤議員
 ここ数年、再生可能エネルギー分野に進出してきているエネルギー事業者が多くなってきていますが、その中で遊休市有地を借りて、太陽光発電事業に取り組んでいる事業者がおりますが、市としてはどのような考え方の下で市有地を貸与しているのかを教えてください。

○経済部長
 エネルギーにつきましては,地球温暖化問題、それから東日本大震災による福島原子力発電所の事故を経る中で,環境問題に加えまして,安全性や経済性に対する議論も高まるなど,取り巻く環境は大きく変化をしてきております。
平成24年に「固定価格買取制度」が開始されるなど,全国的に再生可能エネルギーの普及拡大に向けた取り組みが進められております。

 市としましても,地域の恵まれた自然環境や気候的にも寒冷地でありながら,比較的降雪量が少ないといった自然特性から得られる再生可能エネルギーを有効活用していくということは重要であると考えておりまして,太陽光発電事業者に対する遊休市有地の貸付けにつきましては,この考え方のもと民間事業者への支援の一環として,遊休財産の有効活用も兼ねて実施しているものであります。

◎工藤 篤議員
 再生可能エネルギーの有効活用は、日本全体としても取り組んでいかなければならない課題ですし、大間原発訴訟に踏み切っている当市にとっては、太陽光発電事業はもとよりその他の再生可能エネルギーの推進にも力を注いでいくことは非常に重要なことだと思います。
 そういう意味では市の考え方、取り組みについては十分理解できますし、賛同する者です。

 それで、太陽光発電事業は資料によりますと4カ所ほど行われておりますが、事業を進めるに当たって住民説明会等は行われたのでしょうか。

○経済部長
 現在,旧学校用地など4箇所の遊休市有地におきまして,エネルギー事業者が太陽光発電事業を行っているところでありますが,市では事業者に対しまして,事業を着手前に近隣住民などの理解を得るということを要請しておりまして,事業者におきましては近隣住民などを戸別訪問し,事業の説明などを行っているところであります。

◎工藤 篤議員
 一堂に会しての住民説明会はなかったということです。
 市としては、そこまでは必要なかったということなのでしょうか、その判断の根拠は何でしょうか。

○経済部長
 市といたしましては,事業者に対しまして,事業着手前に近隣住民などの理解を得ていただきたいとしているところでありまして、その手法につきましては立地場所の状況も色々異なりますので,基本的には事業者の方にお任せをしているというところですけれども,事業者においては近隣はもちろんのこと町会の関係者へ説明を行ったりしておりまして,市としましても,地域審議会で情報提供をしてきております。

◎工藤 篤議員
 事業者の判断を優先したということであります。
 それでは、事業を推進するに当たって、リスク、例えば近隣の住環境に悪影響が生ずる場合もあるということを事前に承知していましたか。
 また、エネルギー事業者から市にそれらに関する説明がありましたでしょうか。

○経済部長
 いずれの箇所につきましても、施設の設置にあたり、その時点に当たりまして事業者の方から周辺に住まれている方々への生活環境へ影響を与えるような、お話はなかったところでありますし、市といたしましても、その説明の際には触れてはおりません。

◎工藤 篤議員
 再生可能エネルギーでは風力発電、太陽光発電等がありますが、風力発電については「風車騒音」、いわゆる「低周波音」による「頭痛」「吐き気」「めまい」「平衡感覚の喪失」「不眠」「イライラ」「不安感」等の健康被害が取りざたされております。

 太陽光についても、例えばパワーコンデショナーや配線から漏れるノイズが、目安として半径100メートルの近隣のアマチュア無線やラジオ等の電波受信に影響を与えることがあると言われております。
 折角の事業が、市民の住環境に悪影響を与えるとしたら一考を要すると思いますが、いかがでしょうか。

○経済部長
 色々な影響、多発という状況ではないにしろ事例もございますので、今後市といたしましても,事業者の方へ遊休市有地を貸し付けるにあたりましては,全国の様々な事象なども調べ,考えられる問題やその対策について知識を深めながら,いずれにしましても事業者とともに,近隣住民の方に対して丁寧に対応してまいりたいと考えております。

◎工藤 篤議員
 今後については分かりましたが、例えば、いま取り上げたような住環境の悪化が生じていた場合は、事業者の事情聴取、さらに改善についての責任を果たすよう指導するという理解でよろしいでしょうか。

○経済部長
 市も貸し主としての立場もございますので、指摘の点も含めきちんと丁寧に対応してまいりたいと考えております。

◎工藤 篤議員
 分かりました。それではこの項を終わります。


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# by atsushi-kudou | 2017-02-04 15:41  

漁業者にとっての国際水産・海洋総合研究センター 28年12月議会    ≪29年1月18日≫

 最近の海の状況がおかしい。魚も海藻類のコンブもひどい状況です。

 そういう中、漁業者にとって「国際水産・海洋総合研究センター」がどういう役割を果たしているのか尋ねてみました。

 
 安全航行に関する技術開発は別にして、採る技術、いわゆる生産性向上がための技術開発はもういいのではないかと思っています。

 資源は無限ではない。持続的に漁業を続けていくための資源管理はもとより、増養殖技術のさらなる向上こそが求められているのではないかと考えます。

 
 そういう意味では、見事な官僚答弁に終始、具体的な成果ゼロというのが率直な感想でした。


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◎工藤 篤議員

 平成15年3月、「函館国際水産・海洋都市構想」が策定され、本構想の中心となる「国際水産・海洋総合研究センター」は約45億円の建設費をかけて平成26年6月に供用開始されました。

 建設費以外にも、平成27年度決算ベースで言えば、使用料が13,843千円、委託料が77,239千円ですから、運営に年間63,396千円かかっていることになります。


 以来2年半経ちました。まだ、2年半しか経っていないとも言えますが、現在どのような取り組み、また成果等が表れているのか、お聞かせ願えればと思います。


○企画部長

 国際水産・海洋総合研究センターには,函館水産試験場のほか,北海道大学水産科学研究院や北方生物圏フィールド科学センター,未来大学,函館高専の4つの学術研究機関と研究開発型の民間企業6社、合計11の機関、その他に指定研究機センターの指定管理者となっております国際水産海洋都市推進機構が入居しており,函館水産試験場では水産資源のモニタリングや資源管理技術の開発などを,北海道大学においてはイカ類の繁殖についての研究や生物資源変動のメカニズムの解明に関する研究を,未来大学では海洋観測センサーの開発や海洋観測網の構築に関する研究を行っておりますほか,民間企業では,磯焼け防止や藻場造成に係る研究,海藻の増養殖技術の開発,海藻が付着しにくい塗料の開発などを行っているところであります。


 また、国際水産海洋都市推進機構では地元の水産業の課題を研究に繋げるため、いわゆる浜もコーディネーターを採用し、漁業者の声を直接伺い、入居機関に伝えている他、推進機構を管理機関とする入居機関による共同研究チームを立ち上げ、外部から研究資金を獲得し、沿岸漁業者向けの魚種などの判別が可能となる低価格で高性能な魚群探知機の開発を行うと共に、安定したコンブ養殖漁業の実現に向け研究資金獲得に向けた活動を行っておりまして、こうした活動により水産海洋分野の研究拠点を目指し、学術的な立場から地元水産業への貢献に努めているところであります。


 さらに、イカ資源評価と予測に関する講演会や研究成果発表会など、多くのシンポジウムや学会が開催されておりまして、毎年多くの水産業の関係者が来場しているところでございます。


◎工藤 篤議員

 ご答弁の函館水産試験場、北海道大学水産科学研究院や北方生物圏フィールド科学センター、未来大学、函館高専の4つの学術研究機関と研究開発型の民間企業6社は、元々別の箇所にあったのが集約されたものと理解しているのですが、それでよろしいですか。


○企画部長

 入居機関のうち,函館水産試験場につきましては,湯川にあった施設が老朽化し,研究環境の拡充と北海道大学をはじめとする関係機関との連携が図りやすくなることを期待し,研究センターに全ての機能を移転したものであります。


 また,北大の水産科学研究院につきましては,海水が利用できる大型実験水槽や実習船が接岸できるふ頭を有する研究センターで新たな研究活動が展開できることを目的に,研究拠点を新たに設置したものでありまして、北大の北方生物圏フィールド科学センターにつきましても,水産科学研究院と同様に北大の水産学部の建物内から,研究環境の拡充を目的に,全ての機能を研究センターに移転したものでございます。


 次に,公立はこだて未来大学につきましては,新たに「マリンITラボ」を創設し,水産海洋関連の3つの研究室が入居したものでありまして,函館高専につきましては「海洋工学ラボ」を創設し,海洋工学に関する研究室が本年から新たに入居しているものであります。


 また,民間企業6社については,研究センターのオープンにあわせ,函館に新たに進出した企業が3社ありまして,残る3社につきましては,市内にあった企業が機能拡充を図るため入居したところでございます。


◎工藤 篤議員

 分かりました。関係機関との連携、海水大型実験水槽等を活用しての新たな研究活動等々、そういう意味では単なる集約ではなく集積と捉えることができ、これまでの個々の研究、活動が集積されたことにより新たな可能性、視点が探られているものと期待しております。

 そこで、私ども素人に理解できるような顕著な事例がありましたらお知らせください。

ただ、まだ2年半ですから基礎研究がそう簡単に日の目を見ることはないと理解しておりますので、そういう場合は現在進行中だけで結構でございます。


○企画部長

 先程もご答弁申し上げましたけれども,入居機関による共同研究チームが外部資金を獲得し,沿岸漁船向けに魚種毎の資源量や魚体長を測ることができる魚群探知機の開発に取り組んでおりますほか,気候変動に左右されにくいコンブ漁業を目指し,沿岸漁業の持続的活用の一助となるよう,入居機関による研究チームを立ち上げ,コンブ種苗の陸上での長期保存技術や,母藻となるコンブの成熟制御技術,コンブの乾燥工程の効率化などをテーマに,研究を組み立てて,国への提案を行うなど,集積した学術機関の知見を活用した研究事業のコーディネートに取り組んでいるところでございます。


 水産・海洋の分野には未解明な部分も多く,全ての課題が入居機関の知見により解決できる訳ではございませんが,漁業者が抱える技術的課題を少しでも改善に向けることができるよう,学術機関などが持つ科学技術の観点から,地域の産業全体の活性化をめざしてまいりたいと考えております。


◎工藤 篤議員

 ご答弁の母藻となるコンブの成熟制御技術とはどういうものなんでしょうか。


○企画部長

 近年,天然コンブの成長の遅れによりまして,養殖コンブ漁業に必要な母藻の成熟が遅れ,適切な時期に採苗できないといった問題が発生しております。


 また,採苗時期の遅れは,その後のコンブの養殖のスケジュールにも大きな影響を及ぼしますことから,必要な時期に成熟母藻を確実に確保することが, 課題となっております。


 こうしたことから,天然コンブの成熟を促進する培養条件の解明などによりまして,種苗生産現場における室内培養へ向けた技術の開発をめざし,成熟した母藻を,適切な時期に確保できるよう技術開発を行うものです。


◎工藤 篤議員

 まあ研究開発中という理解でよろしいですね。

 浜のコーディネーターは、いわゆる浜と研究機関との繋ぎ役と受け止めましたが、具体的な内容と成果をお知らせください。


○企画部長

 相談を受けた事例としては,漁獲したコンブの表面に「毛」のようなものが付着し,作業の際に取り除くのが大変で,発生する粉塵を吸い込むと,健康にも害をおよぼすことから,除去作業を省力化,効率化できないか,との要望を受けまして,関係機関と協力して除去装置を試作し改良を重ねるなど,漁業者からの要望により,これを解決するための取り組みを行っております。


 また,コンブ乾燥工程に関しては燃料費が高額でありますことから,省エネによる低コスト化の要望を受け,道立工業技術センターなどとコンブ乾燥機の改良に取り組んでおります。

 
 さらに、藻場の磯焼けによるコンブ幼体の定着不全、あるいは大時化による養殖コンブ容体の流出,ミツイシコンブの枯死,コンブの芽落ちなど,すぐには改善が難しい相談もいただいておりますけれども、研究センターの入居機関がそれぞれ連携をし共同研究に向け取り組んでいる事例があるところでございます。


◎工藤 篤議員

 ミツイシコンブは養殖を指しているのだと思いますが、枯れ死ですか、また、コンブの芽落ちなどは、この数年新たに生じてきたもので、減産の大きな要因となっていますが、その他のものについては、コンブ養殖が企業化されてから、凡そ40年ほど経つのでしょうか、言ってみれば当初からの課題でありました。


 今頃になって対策をというのも、遅きに失した感がないでもありませんが、ぜひ光明が見えることを期待しております。

先ほど農林水産部長がおっしゃっておりますが、イカ漁のかつてない不漁、スケソウ、ホッケなどの水揚げの減少を始め、比較的安定しているといわれる養殖コンブも地域によっては、芽落ち、穴あきが拡がって裾から腐れ落ちるなどで減産、加えて天然マコンブは年明け早々の時化、高波によって海底がさらわれたのか、盛漁期になっても成コンブがほとんどみられないという事態になりました。


 無いものは採れない訳でございます。

 因みに、今年度のJFえさんを例にとると、天然マコンブの生産量は10,351㎏、これは昨年比約94%の落ち込み、6%に過ぎなかったのでした。正に壊滅状態だったといっても過言ではありません。

 
 ご案内のように、天然マコンブは2年目の夏が成コンブとして収穫されますが、突然2年生になるのではなく、簡単に言えば親コンブから発生した遊走子が海底の基盤に着床し、発芽してコンブの赤ちゃんになり、1年生コンブ、2年生コンブとして成長します。従って、盛漁期の夏に1年生コンブが見られなければ、翌年も不漁となります。


 そこで、再来年の1年生コンブの着床を担保するためには、いわゆる母藻を確保しなければなりません。

 しかし、今のままの着床密度のまま推移するとしたら、生まれいずる総体数が減少していくことは必然となります。

 もちろん、自然界のことですから、私が危惧するようなことはなく、思った以上に回復するかも知れませんが、生産量が前年比マイナス94%、6%しかなかったというのは、かつてこのような記憶がなく、異常事態と判断せざるを得ません。

研究機関として、このような事態をどのように把握しているのか、また、今後どのように対処していったらいいのか、お考えがあればお聞きしたいと思います。


○企画部長

 研究センターとしては,水産・海洋に関する研究機関等の入居型の研究機関ということでございまして、センターとしてということよりも入居されている研究機関の中でということになろうかと思いますけれども,指定管理者となっております函館国際水産・海洋都市推進機構が,入居機関をはじめ,関連する研究機関や企業,さらには漁業者とのコーディネート機能を発揮することで,地域経済の発展に寄与することをめざしている訳でございまして,今年のコンブの状況というものは,非常に憂慮すべき事態と捉えておりまして,研究センターの入居機関で構成する共同研究チームによる,コンブ養殖に関する研究プロジェクトでは,天然コンブが採取できない場合に備えたコンブ優良株配偶体の長期保管技術の開発や,あるいはコンブ育成環境のモニタリング技術の実証などについても外部資金を何とか獲得をして研究を進めていこうということで努力をさせていただいているところでございます。


筆者註:コンブ育成環境のモニタリング技術

     モニタリングとは「環境の状態や汚染の状況などを、常に監視・観察して記録すること」を言います。従ってここで
     はコンブの育成環境。コンブ種苗や幹綱等への着生状況、害虫の発生、海水温や汚濁等の海の環境等も含め、
     総合的に監視・観察することを言うのではないかと思います。

◎工藤 篤議員

 母藻の研究も確かに必要なんでありますけれども、もちろんこれは第一義には漁業組合が判断しなければならないことだと思いますが、前年比94%の減ということはほとんど壊滅状態ということで先ほど申し上げましたが、次年度以降のことを考えた場合は、それを採らないで母藻として海に残していくということも含めて考えていかなければならないのではないかなというふうに思ったりもしております。


 しかし、生産者は目の前にあるのものは採りたいということになりますので、ぜひその辺の、研究機関からの指導助言等も含めてお考えいただければと期待をして、この項は終わりたいと思います。


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# by atsushi-kudou | 2017-01-19 09:13  

タイムライン-防災行動計画 28年9月議会             ≪平成29年1月12日≫

知人から面白いから読んでみてはと贈られた「自民党を生んだ男三木きち吉の生涯・誠心誠意嘘をつく」(水木楊著)を読みました。

 新聞や週刊誌の書評を見て読んでみたいなと思う本をピックアップして行きつけの書店に注文、ぶらっと入った本屋で目についたものを捲って気にいったら、というのが私の本を求めるパターンですが、知人から贈呈されたのは極めて希なことでした。


 面白く、且つ感銘を受けました。政治家、まさにここに有り、でした。

 三木武吉が自由党と民主党の保守合同を成し遂げた最大の功労者であったというのは、知識としてはありましたが、どういう経緯があったのかまでは知りませんでした。もっと早くに出会いたかった本でした。絶対お勧めです。


 鳩山一郎について次のような記述がありました。

 お坊ちゃんではあるが、決して凡庸ではない。天下の秀才が集まった一高卒であり、語学に優れた才を現した。EEC(欧州共同市場=現在のEUの前進)の生みの親であるクーデンホーフ・カレルギー伯爵の著作『自由と人生』を翻訳して出版した。

その書き出しは、「人間は神の創造物である。国家は人間の創造物である。したがって国家は人間のために存在するが、人間は国家のために存在するのではない。国家なき人間というものは考えうるが、人間のない国家は到底考えられない。人間は目的であって、手段ではない。国家は手段であって、目的ではない。」鳩山はステーツマンにふさわしい理想主義者でもあった。 ―


 読後感としては「今まさに政治家の底の浅さを嘆かざるを得ない」に尽きました。残念ながら・・・。


 さて、昨年はずいぶん災害が発生しました。

 災害防止の一つとしてタイムラインが有効であると報道されておりましたので取り上げてみました。

 

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◎工藤 篤議員

 タイムライン―防災行動計画についてお伺いいたします。

 まず最初に、台風10号の記録的豪雨によって甚大な被害、犠牲になられた方々を初め御家族の皆様、さらには自宅の水没や流出、ライフラインの崩壊、農作物被害等に遭われた地域の皆様に心からお見舞い申し上げます。


 さて、今回の台風にかかわってのテレビ報道の中で、被害状況に触れる一方、事前に防災のための行動を共有するタイムラインが取り上げられておりました。複数のテレビで報道されていましたので興味深く拝見しましたが、災害時による事前の対策としては有効であるということを強調していました。タイムライン――防災行動計画について、市としてはどのように捉えておりますか。


総務部長

 タイムラインにつきましては、市や防災関係機関が連携をして、災害時に発生する状況をあらかじめ想定し、共有した上で各防災関係機関や住民がとるべき防災行動を時系列で整理した計画でありまして、特に洪水水害のように災害発生まで一定程度時間があり、事前に災害や被害の規模などを想定できる場合におきましては、災害発生前の早い段階から連携のとれた迅速かつ効率的な防災活動につながるものと考えておりますことから、被害の最小化を図るためには有効なものと認識をしているところでございます。


◎工藤 篤議員 

 従来の地域防災計画並びに避難行動要支援者支援計画との違いがあるとしたらどこにあるのでしょうか。


総務部長

 地域防災計画は、地震などの各種災害に対しまして市や各防災関係機関、市民等が行う予防・応急・復旧等の対策を定めたもので、函館市防災会議が策定する本市における防災対策の根幹となる計画でございます。その地域防災計画に定められております市や防災関係機関、市民等が行う防災活動を災害種別ごとに時系列で整理したものがタイムラインであると考えております。


 また、避難行動要支援者支援計画につきましては、地域防災計画に定めている防災対策の一つである要配慮者対策を推進するために策定した個別の計画でございまして、平常時からの地域住民による見守りや、災害時における避難支援などを詳細に定めたものとなっているところでございます。


◎工藤 篤議員

 私が知り得る範囲では、国土交通省、水災害に関する防災・減災対策本部防災行動計画ワーキンググループが、「タイムライン(防災行動計画)策定・活用指針(初版)」が、この8月に発行されたばかりです。


地域防災計画に定められている市や防災関係機関、市民等が行う防災活動を災害種別ごとに時系列で整理したものがタイムラインであるとの御答弁からは、本市として策定されているように受けとめられるのですがいかがでしょうか。


総務部長

 国土交通省におきましては、台風に伴う大規模な水害による被害を最小化するため、国管理河川を対象にタイムラインを策定する取り組みを進めてきておりまして、この8月にはタイムライン策定・活用指針を作成し、さらなる普及に努めているところでございまして、本市におきましては、本年3月、活火山恵山に噴火警戒レベルを導入するに当たりましてタイムラインの概念を取り入れまして、火山活動の状況に応じた各防災関係機関や住民の行動計画を作成したところでございます。


 また、本年7月には、土砂災害などに対する災害対策本部の対応を時系列で整理した函館市災害対策本部活動要領を作成したところでありますので、今後これらをベースにタイムラインの策定について関係機関と協議をしてまいりたいというふうに考えてございます。


◎工藤 篤議員

 わかりました。201310月、アメリカニュージャージー州を襲ったスーパー台風で約4,000棟が高潮被害を受けたものの人的被害ゼロであったということですが、タイムラインに従った行動によってとの総括のもと、従来の防災から一歩先を見越した防災対応として注目されているようです。

 

釈迦に説法ではありませんが、防災においては「空振りは許されるが見逃しは許されない」という言葉があります。本市としても一部その考え方によって対応している分野もあるようですが、全体化できるものであれば、さらに検討を深めていただきたいと問題提起し、一般質問を終わらせてもらいます。



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# by atsushi-kudou | 2017-01-12 20:18  

特別職の報酬等及び一般職の給与 28年9月議会           ≪平成29年1月10日≫

 恥ずかしい話なのですが、実は市長が公約と掲げ、条例化した給与5割カット、それがいつの間にか元に戻っていたのを私自身気がつきませんでした。
 市長がどう考えようと条例に基づかなければ、つまり議会で議決されなければ市長給与は決められないのですから、確かに、元に戻す条例提案がされており、すんなり通っていたのでした。

 結局、職員の人事院勧告に即した特別職の給与関連条例だと思い込み、中身を事実上チェックせず、はっきり言えば見過していたのでした。

 私はこれまで一般質問の中で、市長給与50%カットを公約にするなどというポピュリズム、大衆迎合的なことはすべきでないと主張してきましたから、元に戻すこと自体に全く異存はないのですが、それならそれで提案趣旨説明の中で、はっきりと「市長公約としてきた給与50%カットは、これこれこういう理由で元に戻す」という説明をするべきでなかったかと思います。

 実際、有権者にとって私が思う以上に「市長給与50%カット」の公約はインパクトのあるものだったようで、事の是非は別にして後味の悪い顛末と受け止めました。

 さて、話は別ですが、議員定数削減が議長から各派代表者会議に提案された際、二元代表制の一方の雄として市民の意見、考え、状況を把握しつつ市政に反映するためには一定の議員数が必要、これまで当市として議員数削減に真摯に取り組んできた経緯もあり、また、中核市あるいは類似団体の中で必ずしも議員数が多くない現状から、議員定数削減を前提とした議論には組みしないと主張してきた、との小野沢会長の報告を受け、議論の後、会派の統一見解とてまいりました。

 そういう中、市政クラブの金沢幹事長から各会派の幹事長に話があるということなので伺ったところ、「会派代表者会議での議論経過を聞いていると思うが、恐らく実務的には幹事長会議で議論することになると思うので承知されたい」というお話でした。
私は、「会派代表者会議の中で主張してきた事から逸脱するようなことはできない」旨を告げ退席してきました。

 ただその場で市政クラブの金沢幹事長は、「市長は、議員定数削減をしたら報酬を上げてもいいと言っている」とはっきり口にしました。
 まさか、市長の虎の威を借る狐を演じた訳ではないでしょうから、口を滑らしたものと思います。
そんないきさつ経緯がありまして、市長に「同僚議員に、定数削減が行われたら報酬を引き上げてもいいと、言ったというが事実か?」と牽制球を放りましたら、「定数とか報酬の問題については、今、議会の方で議論中のことでありますので、私からの発言は差し控えさせていただきます。」と答えていました。

「そんなことは言っていない」と否定はしませんでした。

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◎工藤 篤議員
 次に、特別職の報酬等及び一般職の給与についてお伺いいたします。
 特別職の報酬等についてですが、どのような形で決められているのかお伺いします。

○総務部長
 特別職の報酬等を決定するに当たりましては、旧自治省通知によりまして第三者機関の意見を聞くことが必要であるとされていることから、本市におきましては、函館市特別職報酬等審議会を設置し、議員にあっては報酬額を市長及び副市長にあっては給料及び退職手当の額をそれぞれ審議会に諮問をし、その答申を踏まえて特別職の報酬等の改定内容を決定した上で、改正条例を議会にお諮りし、改定を行っているところでございます。

◎工藤 篤議員 
 市長は1期目の選挙公約で給料の50%カットを打ち出し、平成23年度第2回定例会で条例提案、可決し、その後12月に開催された第2回臨時会で副市長以下の特別職のカットを提案、可決されました。
その際、給料カットは財政再建の集中対策期間中とするとおっしゃっていましたが、その意味するところをいま一度教えていただけますか。

○総務部長
 特別職の給与の減額につきましては、市の厳しい財政状況を踏まえ、特別職が率先して財政再建に取り組むため、一定の期間を設けて暫定的に実施したものでありますが、その対策期間の考え方といたしましては、職員給与の減額や経常経費の削減など各種対策を講ずることによりまして、財源不足を解消し、安定的な財政運営が確立されるまでの間を想定したものであります。

◎工藤 篤議員
 私の記憶では、財源不足を解消し、安定的な財政運営が確立されるまでの期間というのは、基金に頼らないで予算編成ができるようになることでしたので、基金を崩さないで予算編成ができるようになったのが平成26年度からで、平成27年4月から改定後の本則どおりに支給、すなわち給料カットは打ち切りとなったと。
つまりこれらから財政再建はなされたという理解でよろしいですか。

○総務部長
 一般職の職員の給与の独自減額につきましては、市の厳しい財政状況を踏まえ、暫定的に実施したものでありますが、この間、一般職の職員につきましては、地域の民間給与水準をより適切に反映するとともに、職務と責任に応じた、めり張りのある給与体系とすることなどを柱とした給与制度改革について検討を進め、平成27年度から新たな給与制度を導入することとしたことから、独自減額につきましては平成26年度末をもって終了したところでございます。

 また、特別職の職員の給与につきましては、平成26年度予算から2年連続で財政調整のための基金に頼らない収支均衡予算を編成できたことから、財政再建について一定のめどが立ったことや、一般職の職員の給与につきましても、新たな給与制度の導入について見通しが立ちつつあったことなどを総合的に勘案し、特別職報酬等審議会の答申のとおり、平成27年度から市長等の給与月額及び退職手当を引き下げることとし、これに伴い、給与減額につきましては、平成26年度末をもって終了することとしたものでございます。

◎工藤 篤議員 
 特別職報酬等審議会の答申ですが、同様の内容の諮問があってのことだと思いますが、御答弁の中の「財政再建について一定のめどが立った」の「一定の」とあるのはどういうことを指すのでしょうか。ありていに言えば、「一定の」をつけない状態というのはどういうことを指すのですか。

○財務部長
 何をもって財政再建かということは、さまざまな捉え方があるとは思いますが、私どもといたしましては、行財政改革プラン2012において目標に掲げた基金に頼らない財政運営が平成26年度当初予算から編成できているということに加えまして、約63億円という財政調整及び減債基金をこれまで積み立ててきたことをもってお示ししているものでございます。

◎工藤 篤議員
 具体的にどういうことをおっしゃっておられるのかよくわからないのですが、基金に頼らない財政運営ができているということ、さらに約63億円という財政調整及び減債基金が積み立てられていること、これらの状態が一定の財政再建がなされているということなのだと思います。

 それで次に進みますが、平成26年度第3回定例会で同僚議員が、市長及び職員の給与の独自削減措置について質問されております。
その中で明らかになったことは、
1つは、普通会計における1人当たりの給与費でいうと、平成21年度と平成25年度を比較した場合、年間58万6,000円低くなっていること。
2つ目として、削減効果は平成23年度、これは平成24年1月からの実施で  すが、それから平成26年度の4年間に約23億4,000万円あったということでした。
 
 それでお伺いしたいのですが、平成27年度まではどういう数値になりますか。従来の措置による削減と新たな給与体系の実施によるものと区分して示してもらえればありがたいのですが。

○総務部長
 平成27年度普通会計決算における1人当たりの給与費は601万3,000円でございまして、平成21年度決算と比べると31万8,000円低くなっております。 

 また、平成23年度から独自減額等による効果額につきましては、一般・特別会計合計で、平成26年度までの独自減額分として約23億4,000万円、平成27年度における新たな給与制度の導入による分として約1億6,000万円となっておりまして、平成27年度までの累計では約25億円となっているところでございます。

◎工藤 篤議員
 平成26年第3回定例会において、同僚議員の、東日本大震災からの復興のため、平成24年4月から2年間に限定して行われた国家公務員の削減措置が平成26年3月31日をもって終了したわけだが、給与の復元によっての消費拡大、経済効果が期待されているが、函館市においても同様の考え方に立てるのではないかとの趣旨の質問に対し、給与の独自減額に係る地域経済への影響については具体的に想定することは難しいが、削減をやめたとしても地域経済に与える効果は限定的だと考える。
 一方で、経済の再生を最優先の課題の一つに掲げ、各種の経済対策に取り組んできており、今後もこうした対策を強力に推し進めると答弁しております。

 加えて、当市の給与削減は厳しい財政状況を踏まえ、国からの減額要請以前の平成24年1月から取り組んでいるものであり、今後も人口減少等による市税収入の伸び悩みや地方交付税の減額などにより、中長期的には厳しい財政状況が続くものと予想され、平成26年度予算編成時にも一定の財源不足が見込まれるので、その対策として実施しているとの趣旨の答弁がありました。
 
 さて、約25億円の削減効果、これらがどのように使われたのか、もちろん一般財源でありますから特定することはできないのですが、具体的な対象を示すと理解しやすいと思いますので例を挙げると、中心市街地活性化の一環で、近々オープン予定のはこだてみらい館、はこだてキッズプラザに要する経費が約28億円余りであります。職員の給与削減が市の政策に大きく貢献していることがわかります。

 それで参考にしたいのですが、平成23年度から現在まで市職員の削減率はどのぐらいになっているのでしょうか。

○総務部長
 一般職の職員につきましては、平成24年1月から平成27年3月までの間、給与の独自減額を実施しておりますが、これは各年度限定の暫定的な措置として行ったものでございまして、条例本則の給与額は変更していないことから本来の職員給与の水準には影響はないものであります。

 したがいまして、この間の職員給与の見直しによりまして、恒久的な職員給与の削減率がどの程度になったかということにつきましては、平成27年度から導入いたしました新たな給与制度によるものになりますが、平成27年度の職員数ベースで平均マイナス4.2%と試算しておりまして、これが最終的な減額率であると認識しております。
 
 なお、新給与制度の導入に当たりましては、激変緩和のため経過措置を講じておりますので、導入初年度の実質的な減額率は平均マイナス1.3%となるものでございます。
 
 また、市長を初めとする特別職の職員につきましては、他の類似団体等の特別職の給与水準や平成18年度及び平成27年度における一般職の職員の給料表の構造的見直しにおける引き下げ率などを参考といたしまして、平成27年度に約7%の給料月額の引き下げを行ったところでございます。
 
◎工藤 篤議員
 わかりました。それで先般たまたまお昼のワイドショーを見ていましたら、東京都知事の給料半分カットが話題になっておりました。
コメンテーターに宮城県や三重県の元知事が出演していましたが、彼らがおっしゃるには自治体の長としての重い責任、忙しさ等々の仕事に対する対価なのだからそういうことはすべきではない、堂々と受け取って仕事で返すべき、単なるパフォーマンスと見ざるを得ないというものでした。

 私は同じ思いで見ていたのですが、(当市が)給料カットを撤回したのは財政再建とは関係なく、当然だと思います。
 ただ、先ほど来の御答弁から推察するに、今後基金に頼った予算編成に陥った場合は、再度独自カットを実施する余地があるというようにも受け取れたのですが、いかがですか。

○総務部長
 本市の財政状況につきましては、これまでの行財政改革の取り組みによりまして、平成26年度から3年連続して基金等に頼らない収支均衡予算を編成することができたことや、平成25年度以降財源調整のための基金を取り崩すことなく黒字決算となっていることから、一時の危機的な状況は脱したものと認識しております。

 しかしながら、今後、人口減少に伴います市税や地方交付税の大幅な減額など、厳しい財政運営が見込まれますことから、引き続き間断なく行財政改革を進め、健全な財政運営に努めていく必要があるものと考えております。
 今後、仮に危機的な財政状況となった場合の対策といたしまして、給与減額もさまざまな選択肢の一つであるとは思いますが、実際に実施するかどうかはその時々の状況を踏まえて判断していくことになるものと考えております。

◎工藤 篤議員
 1期目の市長の給料半分カットの公約は、市民とのやりとりの中では、私どもが思うほど以上にインパクトのあるものなんだなと思いました。

 それで今回の取りやめについては、平成26年11月29日の北海道新聞、平成27年1月20日の函館新聞の報道で、また平成27年9月号の市政はこだての広報に載っていましたが、意外に知らなかった市民が多かったようでした。
読まないのが悪いんだという短絡した議論ではなくて、非常にインパクトのある公約だっただけにもう少し丁寧な方法、例えば定例記者会見で公約の達成度等を問われていた場面もあったわけですが、それらの中で対応するような――最もそれが広く報道されるとは限りませんが――何かしらの方法があったのではないかと思いました。

 事実認識が違っておりましたら教えていただきたいのですが、何か思いがありましたらお願いします。

○総務部長
 特別職の給与減額につきましては、財政再建の集中対策期間として、特別職が率先垂範して取り組むべきであるという考え方のもと、暫定的に条例附則において期間を定め、議会にお諮りをし実施してきたところでございます。
 また平成26年度に開催いたしました特別職報酬等審議会において、給与減額終了の経過について御説明をさせていただき、その内容が新聞報道等でも取り上げられたことでございますので、市民の皆様にも御理解いただいているものと認識しているところでございます。

◎工藤 篤議員
 受けとめ方の違いですからそれはよしとしておきますが、それで市長は、同僚議員が、議員の定数削減が行われたら報酬を引き上げてもいいというようなことをおっしゃっていたと聞いておりますけども、それは事実ですか。

○市長
 定数とか報酬の問題については、今、議会のほうで議論中のことでありますので、私からの発言は差し控えさせていただきます。

◎工藤 篤議員
 事実かどうか、同僚議員にお話をしたという事実はございますか。

○市長
 同僚議員というのはどなたを指すかわかりませんが、差し控えさせていただきます。

◎工藤 篤議員
 わかりました。そういう事実があるということを聞いたもんですから、確認したら否定も肯定もしないということですので、後でまた確認をしておきたいなというふうに思います。


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# by atsushi-kudou | 2017-01-10 16:50 | 新人議員「虚心平気」